はじめに|なぜ銀行相続で「相続放棄の確認」が重要なのか
銀行相続は、原則として次の流れで進みます。
- 相続人の確定(戸籍の収集)
- 銀行口座の調査(相続財産の把握)
- 相続放棄の有無の確認
- 遺産分割協議
- 銀行へ相続手続きの申出
- 必要書類の提出・審査
- 口座解約・払戻し
この中で、見落とされがちですが非常に重要なのが「相続放棄の有無を正確に確認すること」です。
相続放棄をした人がいるかどうかによって、相続人の範囲・遺産分割の方法・銀行に提出する書類は大きく変わります。
にもかかわらず、
- 「相続放棄したと聞いているから大丈夫」
- 「手続きには関係ないと思っていた」
このような曖昧な認識のまま銀行相続を進めてしまい、途中で手続きが止まってしまうケースは少なくありません。
本記事では、銀行相続を進めるうえで欠かせない相続放棄の基本と、確認方法、注意点を分かりやすく解説します。
相続放棄とは何か(銀行相続との関係)
相続放棄とは、家庭裁判所に申述を行い、相続人としての立場そのものを最初から放棄する手続きです。
相続放棄をすると、
- プラスの財産(預金・不動産)
- マイナスの財産(借金・保証債務)
これらすべてを含めて、相続する権利と義務を失います。
銀行相続の場面では、相続放棄をした人は最初から相続人ではなかったものとして扱われます。
そのため、遺産分割協議や銀行手続きには参加できず、代わりに次の順位の相続人が関与することになります。
相続放棄の有無を確認しないまま進めると起こる問題
相続放棄の確認を怠ったまま銀行相続を進めると、次のような問題が発生する可能性があります。
銀行手続きが途中で止まる
銀行は、相続放棄が関係する場合、家庭裁判所で正式に受理された証明書類の提出を求めます。
放棄の有無が不明確なままでは、書類不備として手続きが進みません。
遺産分割協議が無効になる
相続放棄をした人を含めて遺産分割協議を行うと、その協議自体が無効となる可能性があります。
結果として、協議のやり直し → 再提出 → 手続き長期化という流れになってしまいます。
想定していなかった相続人が現れる
相続放棄により、次順位の相続人(兄弟姉妹や甥姪など)が相続人になることもあります。
この場合、再度戸籍調査が必要になることもあり、手続きが大きく後戻りします。
相続放棄の有無を確認する具体的な方法
相続放棄の有無は、家庭裁判所の書類によって確認します。
相続放棄受理証明書とは
家庭裁判所で相続放棄が正式に認められると、「相続放棄申述受理通知書」が発行されます。
銀行手続きでは、これに加えて相続放棄受理証明書の提出を求められることが一般的です。
口頭の説明や写しでは足りず、正式な証明書類が必要となる点に注意しましょう。
相続放棄の期限と注意点(3か月ルール)
相続放棄は、自己のために相続が開始したことを知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
この期間を過ぎると、原則として相続放棄はできなくなります。
また、注意点として、
- 預金の引き出し
- 相続財産の処分
これらを行うと、相続を承認したとみなされる可能性があります。
判断に迷う場合は、銀行口座に触れる前に専門家へ相談することが重要です。
銀行相続と相続放棄の実務上のポイント
銀行相続の実務では、次の点が特に重要です。
- 相続放棄の有無は、必ず書面で確認する
- 放棄者がいる場合、相続人構成を再確認する
- 遺産分割協議の前に、放棄の確認を終えておく
これらを後回しにすると、銀行手続き全体がやり直しになる可能性があります。
まとめ|相続放棄の確認は「早い段階」で行うことが重要
相続放棄の有無は、銀行相続の流れの中で必ず確認すべき重要なポイントです。
- 相続人調査が終わった後
- 銀行口座の調査が済んだ段階
このタイミングで相続放棄の有無を正確に確認しておくことで、その後の手続きをスムーズに進めることができます。
銀行の相続手続きは銀行相続専門の行政書士にご相談ください
相続放棄が関係する場合、相続人の整理や銀行への説明が複雑になることがあります。
「相続放棄が関係しているか分からない」
「どの書類が必要なのか判断できない」
そのような場合は、銀行相続を専門に扱う行政書士に相談することで、手続きの全体像が整理できることも少なくありません。
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