はじめに|「戸籍は全部集めたのに、まだ必要?」
相続手続きを進めていると、
「住民票の除票を提出してください」
「戸籍の附票が必要です」
と、突然言われることがあります。
「戸籍はもう全部そろえたのに、なぜ?」と戸惑う方は少なくありません。
実は、住民票の除票や戸籍の附票は“相続人の確認”ではなく、“住所の履歴確認”のための書類です。
この記事では、
- 住民票の除票とは何か
- 戸籍の附票とは何か
- 相続で急に求められる具体的な場面
- 実務上の注意点
を整理します。
住民票の除票とは?
住民票の除票とは、
亡くなった方や転出した方の住民票の記録です。
通常の住民票は現住所の記録ですが、除票は「消除された住民票」です。
相続では、主に
- 被相続人の最終住所確認
- 住所のつながり確認
のために求められます。
戸籍の附票とは?
戸籍の附票は、その戸籍に入っている人の住所履歴を記載した書類です。
本籍地の市区町村が管理しており、
- どこからどこへ住所を移したか
- 現在の住所
が確認できます。
つまり、
- 戸籍=身分関係の証明
- 附票=住所の履歴証明
という違いがあります。
相続で急に求められる場面①|不動産の相続登記
2024年から相続登記が義務化されました(不動産登記法改正)。
相続登記では、
- 被相続人の最後の住所
- 登記簿上の住所
が一致していない場合、住所のつながりを証明する書類が必要になります。
例えば、
- 登記簿上の住所が30年前
- 現在の住所は別の市町村
この場合、住所の移転履歴を証明するために、
- 住民票の除票
- 戸籍の附票
が求められるのです。
相続で急に求められる場面②|銀行口座の解約手続き
銀行相続でも、
- 口座名義人の住所が古い
- 取引記録上の住所と現在の住所が違う
といった場合、本人確認の補完資料として除票や附票の提出を求められることがあります。
特に、長年動いていない口座や住所変更届を出していないケースで発生しやすいです。
相続で急に求められる場面③|被相続人の住所がつながらない
実務でよくあるのが、
- 戸籍上の本籍は確認できた
- しかし、最後の住所が不明
というケースです。
戸籍には住所は記載されません。
そこで、
- 戸籍の附票
- 住民票の除票
を使って、住所の履歴を追います。
これがないと、
- 登記が進まない
- 金融機関で確認が取れない
という事態になります。
よくある誤解
「戸籍があれば住所も分かる」
→ 分かりません。
戸籍は身分関係を証明するものです。住所は附票で確認します。
「除票は必ず残っている」
→ 保存期間があります。
住民票の除票は、一定期間で廃棄されることがあります。
具体的には、住民票の消除された日から150年で廃棄されます。(住民基本台帳法施行令 34条)
古い除票は取得できないケースもあります。
その場合は、
- 戸籍の附票
- 登記簿
- 固定資産税通知書
などを組み合わせて対応します。
実務で困らないためのポイント
① 住所変更の履歴が多い人は注意
転居が多い方の場合、附票が複数必要になることがあります。
② 不動産登記を予定しているなら早めに確認
登記簿上の住所が古い場合、早めに住所のつながりを確認しておくとスムーズです。
③ 「急に言われる」前に想定しておく
除票や附票は、
- 必ず必要になる書類ではない
- しかし、必要になると取得に時間がかかる
という性質があります。
相続人調査とは別軸の書類として、想定しておくことが重要です。
まとめ|除票・附票は「住所をつなぐための書類」
- 戸籍=身分証明
- 戸籍の附票=住所履歴
- 住民票の除票=消除された住民票
相続では、
- 不動産登記
- 銀行手続き
- 住所の不一致
の場面で急に求められます。
戸籍を全部集めても、住所がつながらなければ手続きは止まります。
▶ 住所がつながらず手続きが止まっている方へ
- 附票が取れないと言われた
- 除票が廃棄されていた
- 登記が補正になった
こうしたケースでも、書類の組み合わせ次第で解決できることがあります。
行政書士74事務所では、
- 相続人調査とは別に
- 住所履歴の整理
- 不動産登記前の書類設計
までサポートしています。
まずは現在の状況をお聞かせください。
相続手続きサポートの詳細はこちら


