「相続」と聞くと、多くの人は「遺産を受け取ること」とイメージするかもしれません。
しかし、実際には相続には様々な手続きや法律、そして“税金”が関わってきます。
特に「相続税」は、うまく理解しておかないと、思わぬ負担が発生することも。
今回は、相続に関わる税金について、できるだけやさしく、丁寧に解説していきます。
1.そもそも「相続税」って何?
相続税とは、亡くなった人(被相続人)の財産を家族や親族(相続人)が受け取るときに、その受け取った金額に応じて課される税金です。
◆どんな財産に税金がかかるの?
以下のような財産が対象になります。
- 現金や預金
- 土地や建物
- 株式や債券などの金融資産
- 自動車や宝石などの動産
- 借金(これも考慮に入れられます)
「プラスの財産」だけでなく、「マイナスの財産(借金やローン)」も含めて相続財産を計算します。
2.すべての相続に相続税がかかるわけじゃない!
実は、すべての相続に税金がかかるわけではありません。一定額までの遺産であれば「非課税」となります。
これを 基礎控除 と言います。
◆基礎控除の計算方法
2025年現在、相続税の基礎控除額は以下のように計算されます。
3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
例えば、配偶者と子ども2人が相続人なら、
3,000万円+600万円×3人=4,800万円
この場合、遺産の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。
3.相続税の計算の流れ
相続税は次のようなステップで計算されます。
現金や預金、不動産などすべての財産を被相続人が亡くなった日時点で評価し、借金などを差し引きます。
前述の「基礎控除」を引いて、課税対象額を算出します。
法定相続分に従って、仮に分けた場合のそれぞれの取り分に応じて税率を適用します。
実際の遺産分割に合わせて、最終的な税額を割り振ります。
4.相続税の税率ってどのくらい?
相続税は「累進課税方式」を採用しており、相続する金額が多ければ多いほど税率も上がります。
以下は代表的な税率表です(2025年現在)。
課税価格(各相続人ごと) | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
~1,000万円 | 10% | なし |
~3,000万円 | 15% | 50万円 |
~5,000万円 | 20% | 200万円 |
~1億円 | 30% | 700万円 |
~2億円 | 40% | 1,700万円 |
~3億円 | 45% | 2,700万円 |
〜6億円 | 50% | 4,200万円 |
6億超 | 55% | 7,200万円 |
たとえば、課税対象額が5,000万円の場合、税率は20%、控除額は200万円なので、
5,000万円 × 20% − 200万円=800万円 が相続税となります。
5.配偶者や未成年者への優遇措置
◆配偶者の税額軽減
配偶者が相続する財産については、1億6,000万円までまたは法定相続分の金額まで(どちらか大きい方まで)は、相続税がかかりません。
つまり、配偶者には非常に手厚い税の優遇があるということです。
◆未成年者控除
20歳未満の相続人には、1年につき10万円の控除があります。
(例:15歳なら、10万円×5年=50万円控除)
6.「贈与」との違いも知っておこう
相続と似たもので「贈与」がありますが、こちらは生前に財産を渡す場合にかかる税金です。
贈与税の方が相続税よりも税率が高いため、多額の財産を一度に贈与すると高額な税金が発生します。
ただし、「生前贈与」をうまく活用することで、将来的な相続税の節税に役立つこともあります。
7.相続税の申告と納税期限は?
相続税の申告には期限があります。
- 申告・納税の期限:相続開始(死亡)から10か月以内
- 税務署に「相続税申告書」を提出し、税金は原則として「現金一括払い」
期限を過ぎると延滞税や加算税がかかる場合もあるので、早めの準備が大切です。
8.節税対策ってあるの?
相続税を減らすための対策もいろいろあります。代表的な方法は以下の通りです。
- 生前贈与(年間110万円まで非課税)
- 不動産の活用(評価額を抑える効果がある)
- 生命保険の非課税枠の活用(500万円×法定相続人の数)
ただし、節税対策にはリスクも伴うため、専門家に相談するのが安心です。
9. その他の相続に関わる税金
1. 登録免許税(不動産の名義変更)
相続で不動産を取得した場合、名義変更(相続登記)が必要です。
このときに「登録免許税」がかかります。
● 税率
- 不動産の評価額 × 0.4%
● 例
土地の評価額が1,000万円なら、
1,000万円 × 0.4% = 4万円 の登録免許税がかかります。
2. 不動産取得税(ただし、相続では非課税)
本来、不動産を取得すると「不動産取得税」がかかりますが、相続で取得した不動産は非課税です。
つまり、相続で不動産をもらってもこの税金は払わなくてOK!です。
3. 譲渡所得税(売却したとき)
相続した不動産や株などを、後で売却した場合に発生します。
これは「相続」そのものではなく、その後の「売却」による利益に対してかかる税金です。
● 例:相続した土地を売って利益が出た場合
→売却益に対して「譲渡所得税」がかかります。
また、この場合は確定申告が必要になるため、後々「住民税」が掛かる可能性があります。
4. 贈与税(名義を無理に変更した場合など)
相続が正式に始まる前に、名義変更をしてしまうと、贈与と見なされて贈与税がかかるケースがあります。
● 例
- 被相続人の預金を、生前に子が自分の口座に移す
- 不動産の名義を生前に子どもに変える(贈与とみなされる)
こうした行為は、あとでトラブルになることも。税務署は見ていますのでご注意を。
まとめ 相続税は「準備」がカギ!
相続税は、相続が発生してから慌てて対応するのではなく、生前からの準備がとても重要です。
特に、基礎控除の範囲を超える財産がある場合や、不動産が複数ある場合は、税金や手続きが複雑になりがちです。
少しでも不安がある人は、税理士やファイナンシャルプランナーなど専門家に早めに相談しておくと、スムーズな相続ができます。
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