はじめに|「もしもの後、あの子は大丈夫だろうか…」
北九州市で相続のご相談を受けていると、精神障害のあるご家族を持つ方から、こんな声をよく耳にします。
「自分が亡くなったあと、この子はちゃんと生活できるだろうか」
「相続の手続きで、他の家族に迷惑をかけてしまわないか不安です」
精神障害のある方が相続人に含まれる場合、相続は単なるお金や書類の問題では済みません。
だからこそ、「まだ元気だから」「そのうち考えよう」と遺言の話を先延ばしにしてしまうことが、後から大きな負担につながるケースが多くあります。
結論|精神障害のある相続人がいる場合、遺言は「ほぼ必須」です
結論からお伝えします。
相続人の中に精神障害のある方がいる場合、遺言は作成しておくべきものです。
遺言がない相続では、
- 手続きが途中で止まる
- 成年後見制度が必要になる
- 家族全員が判断に迷い続ける
といった事態が起こりやすくなります。
理由①|遺言がない相続は「全員参加」が前提になる
精神障害があっても、相続人としての権利は他の相続人と同じです。
そのため遺言がない場合、
- 遺産分割協議への参加
- 署名・押印
が原則として求められます。
しかし実務では、
- 内容を十分に理解できない
- 判断能力にばらつきがある
- 話し合い自体が難しい
といった理由で、相続手続きが長期化するケースが少なくありません。
理由②|成年後見制度が関わると、相続は一気に重くなる
遺言がない相続では、精神障害のある相続人について成年後見制度の利用が必要になることがあります。
成年後見人が付くと、
- 家庭裁判所への申立てが必要
- 手続きに数か月以上かかる
- 遺産分割の内容に制約が生じる
など、家族だけで柔軟に進める相続が難しくなります。
理由③|「本人のため」が、結果的に本人を苦しめることもある
「法定相続分どおりにしておけば安心」
そう思われる親御さんも多いですが、
- 一度に大きなお金を相続してしまう
- 管理が難しくなる
- 周囲とのトラブルにつながる
といったリスクも現実には存在します。
遺言があれば、
- 管理しやすい形での分け方
- 他の家族が支える前提の設計
など、本人の生活を守る内容を具体的に示すことができます。
理由④|家族の「判断の負担」を遺さないため
精神障害のある相続人がいる場合、相続が始まった後、他の家族は常に悩みます。
- どこまで代わりに決めていいのか
- 本人の意思は尊重できているのか
- これで正しいのか
遺言は、残される家族が迷わないための指針でもあります。
では、自筆証書遺言と公正証書遺言、どちらが向いているのか?
ここで多くの方が次の疑問を持たれます。
「遺言が必要なのは分かったけれど、どの遺言を選べばいいの?」
結論として、精神障害のある相続人がいる場合は、公正証書遺言が選ばれるケースが圧倒的に多いです。
理由は、
- 無効リスクが極めて低い
- 内容を専門家と整理できる
- 家庭裁判所の検認が不要
- 相続手続きが止まりにくい
からです。
自筆証書遺言は手軽ですが、内容の不備や解釈の違いが、かえってトラブルの原因になることもあります。
「公正証書遺言」は、形式よりも“中身”が重要です
公正証書遺言は公証人が作成しますが、どのような内容にするかを考えるのは本人です。
- どの財産を
- 誰に
- どのような意図で
これを整理せずに進めると、「形だけ整った遺言」になってしまいます。
北九州で公正証書遺言を検討されている方へ|行政書士74事務所より
精神障害のある相続人がいる場合、遺言は「残すかどうか」より「どう残すか」が重要です。
当事務所では、
- ご家族状況の整理
- 公正証書遺言の内容設計
- 公証人とのやり取りのサポート
まで、公正証書遺言を前提とした実務目線の支援を行っています。
「今すぐ作るべきか分からない」
「まずは話を聞いてみたい」
その段階からで構いません。軽にご相談ください。


