はじめに
「遺言とエンディングノートって、何が違うのですか?」
相談の中で、非常によくいただく質問です。
どちらも“亡くなった後のことを考えるもの”というイメージはあるけれど、具体的な違いまでは分からないという方がほとんどです。
この記事では、まったく知識がない方でも理解できるように、やさしく丁寧に違いを解説します。
結論 一番大きな違いは“法的効力”です
まず結論からお伝えします。
遺言は法的効力があります。エンディングノートには法的効力がありません。
ここが最大の違いです。
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
遺言とは?
遺言とは、「自分の財産を誰にどのように渡すか」を法律に基づいて決める書面です。
例えば、
- 自宅は長男に渡す
- 預金は子どもで均等に分ける
- お世話になった人に一部を渡す
といった内容を決めることができます。
遺言がある場合、原則としてその内容に従って相続手続きが行われます。
つまり、
家族の話し合いよりも、遺言の内容が優先されるのです。
エンディングノートとは?
エンディングノートは、「自分の希望や想いを書き残すノート」です。
例えば、
- 葬儀の希望
- 延命治療の希望
- 連絡してほしい人の一覧
- 財産の一覧
- 家族へのメッセージ
などを書いておくものです。
しかし、エンディングノートに
「長男にすべての財産を渡す」
と書いてあっても、それだけでは法的な効力はありません。
あくまで“参考資料”になります。
具体的な違いを表で整理
| 項目 | 遺言 | エンディングノート |
|---|---|---|
| 法的効力 | ある | ない |
| 財産分け | 指定できる | 指定できない |
| 形式 | 法律で決まりがある | 自由 |
| 書き直し | 可能 | 可能 |
| 主な目的 | 財産の分配 | 想いや希望の整理 |
遺言がないとどうなる?
遺言がない場合、財産は法律で定められた「法定相続分」で分けることになります。
例えば、
- 配偶者と子ども2人の場合 → 配偶者が2分の1、子どもが4分の1ずつ
しかし現実では、
- 介護をした子どもがいる
- 連絡を取っていない相続人がいる
- 不動産が中心で分けにくい
などの事情があります。
その場合、話し合い(遺産分割協議)が必要になります。
ここでトラブルが起こるケースが少なくありません。
エンディングノートは無意味なの?
いいえ、決して無意味ではありません。
エンディングノートは、
- 財産の把握
- 家族へのメッセージ
- 希望の整理
という点で非常に有効です。
特に、
「どこに何の口座があるのか分からない」
というケースは本当に多いです。
エンディングノートがあると、ご家族は助かります。
どちらを作ればいいの?
ここが一番大切です。
- 財産の分け方を決めたい → 遺言が必要
- 想いを伝えたい → エンディングノート
本当は、
両方作ることが理想です。
エンディングノートで整理し、遺言で法的に確定させる。
これが安心につながります。
よくある誤解
「エンディングノートを書いておけば大丈夫」と思っている方がいますが、これは誤解です。
財産の分け方を確実に実現したい場合は、遺言が必要です。
逆に、「まだ具体的に決められない」という場合は、まずエンディングノートから始めるのも良いでしょう。
遺言は“書いて終わり”ではありません
遺言を作成した後は、
- 遺言執行
- 相続手続き
- 銀行や不動産の手続き
が発生します。
だからこそ、実行まで見据えて準備することが大切です。
まとめ
遺言とエンディングノートの違いは、
- 法的効力があるかどうか
- 財産分けを確定できるかどうか
です。
エンディングノートは気持ちの整理。
遺言は法的な約束。
どちらも大切ですが、目的によって使い分けが必要です。
遺言作成でお困りなら
もし、「自分の場合は遺言が必要なのか分からない」という場合は、一度専門家に相談することをおすすめします。
行政書士74事務所では、
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を行っています。
遺言は、将来の家族への思いやりです。


