新設された相続土地国庫帰属制度
本日は、相続土地国庫帰属制度について解説します。
最近、よく聞くけど内容はよくわかっていないという方はぜひ読んでみてください。
今回は法務局に掲載されているQ &Aを参考に相続土地国庫帰属制度について解説します。
相続土地国庫帰属制度の概要
相続土地国庫帰属制度とは何かというと相続又は相続人への遺贈により手に入れた土地について、所有者の申請により、承認された場合は、土地を国に引き渡すことができるという制度です。
この制度が新設された背景として、所有者不明の土地の発生が相次いでいるということがあげられます。
亡くなった方から相続人が望まない土地を承継し、管理する負担の大きさから放ったらかしにしたり、登記手続きをしないままということが数多くありました。
このような相続人のニーズに応えるため、そして国が相続土地を所有することで所有者不明土地の管理ができるようにするために制度が新設されました。
制度の利用には、審査手数料及び負担金の納付が必要で国が引き取ることができる土地については、一定の要件があります。
制度に該当する10の要件
続いてこの制度の一定の要件について解説していきます。
申請できるのは誰かということですが、相続又は相続人への遺贈により土地を取得した人になります。
したがって売買などで自らが取得した土地は対象外となっています。
また、申請できる土地とはどのような土地なのかというと、簡単にいうと他人の権利の設定や争いがなく、建物もない更地となります。
具体的には以下の10の土地に該当しないものになります。
①土地 の上に建物がある
②他人の権利が設定されている土地
③通路その他の他人による使用が予定される土地
④特定有害物質により汚染 されている土地
⑤境界が明らかでない土地その他の権利について争いがある土地
⑥崖がある土地のうち、管理するに当たり過分の費用又は 労力を要するもの
⑦土地の通常の管理又は処分を阻害するものがあったり、その他の有体物が地上に存する土地
⑧除去しなければ土地の通常の管理処分をすることができない有体物が地下に存する土地
⑨隣接する土地の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の管理又は処分をすることができない土地
⑩そのほか、通常の管理又は処分をするに当たり過分の費用又は労力を要する土地
となっています。
今お伝えした上記の土地に該当しなければ、制度の対象の可能性があるということになります。
費用は申請手数料と負担金が必要
それではこの制度を利用する場合の費用ですが、費用は大きく分けて申請手数料と負担金の2つがあります。
申請手数料は、この制度を利用するために申請するときに必要な費用で土地一筆当たり14,000円 かかります。
負担金は、申請が承認された場合に、その土地を国が管理する為に納入しなければならない費用になります。
土地の性質に応じた標準的な管理費用を考慮して算出した、10年分の土地管理費相当額が必要です。
原則20万円となっていますが、その土地がある地域や面積によって負担金額が増えていきますので、具体的な金額については法務局の担当の方に聞いてみるといいでしょう。
申請先は土地が所在する管轄法務局
申請先はどこになるかというと、申請する土地が所在する法務局の本局で申請することになります。
支局・出張所では申請できませんので、ご注意ください。
また申請をしてから結果が出るまでの期間について、標準処理期間は半年から1年程と見込まれています。
ただし、積雪等の理由により現地調査の実施が遅れた場合など、標準処理期間を超える場合もあります。
申請書類の作成が難しく申請書類の作成を誰かにお願いしたい場合は、申請書類の作成業務については、弁護士、司法書士、行政書士に限り、依頼することができます。
なお、専門家に依頼した時の注意点ですが、専門家は書類の作成はできますが申請することができるのは、本人のみとなりますのでご注意ください。
まとめ
今回は相続土地国庫帰属制度について解説していきました。
まとめとしまして
①相続又は相続人への遺贈により手に入れた土地が対象となる
②相続又は相続人への遺贈により土地を取得した人が申請できる
③申請できる土地は他人の権利の設定や争いがなく、建物もない更地であること
④承認されたら負担金が必要であること
⑤書類の作成は行政書士等の専門家ができる
ということでした。
この制度はまだ始まってまもなく要件が厳しいため、承認されることのが少ないかもしれません。
ですが土地を相続したものの自分はすでに自宅を所有しているし、これから何十年も使用しない土地に税金を払ったり管理をするのに不都合があるという方は一度検討してみてもいいかもしれません。
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