【相続手続き】北九州 遺産分割協議の手続きの流れとポイント

大切な親に不幸ごとがあり、故人様の相続財産を遺産分割しようと考えているあなた。

『遺産分割って何をしたらいいのかわからない。』
『揉めたら相続できないと聞いた。』
『手続きの流れが知りたい。』

遺産分割協議をしようと思っているけど初めてで何から手をつけたらいいのか分からないなんてことありませんか?

行政書士として相続を勉強した私も、実際に親族の遺産分割をした際、遺産分割で揉めると大変だとはわかっているけど、揉めないためにはどういう話し合いをしたらいいのかわからず戸惑ったことを覚えています。

最初は揉めたらどうしようとただそれだけが怖くて不安でした。

今回は実際に親族の遺産分割を経験した相続専門の行政書士である私が、『遺産分割協議のポイント』についてお届けします。

本記事でご紹介する遺産分割協議のポイントを知ってもらえれば、遺産分割協議を円満に進められます。

逆に今回ご紹介する遺産分割協議のポイントを知らなければ、相続人同士で揉めて遺産の承継ができなくなるかも…

誰でもわかるように紹介しておりますので、最後まで読んでくださいね。

目次

遺産分割協議とは?

今回は基礎調査(相続人の確定・相続財産の評価と確定)が終わった後の遺産分割協議について解説致します。

基礎調査については、【【相続手続き】下関市を例にわかりやすく解説 ①相続人の範囲の決め方】【【相続手続き】下関 北九州 ②相続財産の調査(残高証明書の取得)】をご覧ください。

相続人・相続財産が確定したところで、いよいよ遺産分割協議に入ります。

遺産分割協議とは、相続の開始によって共同相続人の共有となった相続財産について、その帰属を確定させるもので、法定相続分を基準に、誰が・何を・どのように・どのくらいの遺産を分けるかを相続人で話し合う事をいいます。

必ず相続人全員が参加して話し合わなければいけません。

原則、1人でも欠けて行った遺産分割協議は無効となります。

遺産分割協議の流れ

大きく分けて3つあります。

STEP
遺産分割協議を行う
STEP
遺産分割協議書を作成する
STEP
遺産分割協議書に署名押印をする

①遺産分割協議を行う

法定相続分を基準に相続人全員で話し合います。

前述した通り、誰が(相続人の範囲)・何を(どの財産を)・どのように(分割の方法)・どれだけの割合(遺産の割合)で承継するのか決めましょう。

原則として、相続人が1人でも欠けての遺産分割協議は無効となります。

未成年者や認知症などの法律行為を行うことができない方が相続人中にいる場合は、家庭裁判所に特別代理人を選任する必要があります。

手間だからと言って特別代理人を選任しないで、未成年者と遺産分割協議をおこなっても無効となりますのでご注意ください。(未成年後見人がいる場合は除く)

遺産分割のポイント

ポイントは2つあります。

1つ目のポイントは、当事者で話しが進めれるようにお互いの気持ちを尊重しながら譲り合いの精神で話しを行いましょう。

よくある事例として、『自分はこれが欲しい!』とか『その金額では納得いかない!』など、遺産分割の話しの折り合いがつかないことがあります。

その時に個人として弁護士に依頼してしまい『相続』が『争族』になってしまう事があります。

遺産分割で揉めたくないなら、紛争のイメージが強い弁護士を立てるのは得策ではありません。

こちらが弁護士を立てると相手も弁護士を立てる可能性が高いからです。

お互いの現在の状況や気持ちを汲み取りながら尊重し、譲り合いの精神を持って当事者で話しを進めましょう。

2つ目のポイントとして、直接会って話し合う事です。

表情や声の質感、雰囲気を感じれるのでお互いの気持ちが伝わりやすくなります。

遠方に相続人がいて直接会う事が難しい方は、基礎調査で取得した法定相続情報一覧図と財産目録をあらかじめその相続人に郵送して、その資料を見ながら電話で話し合うと内容が伝わりやすくスムーズに話しが進みます。

遺産分割の基準

遺産分割の基準(遺産分割の対象となる遺産の基準)は、遺贈や贈与などの特別な受益(個別に贈与されていた財産)を考慮して算定される具体的な相続分になります。

しかしそのとおりに分割されるのではなく、民法906条では、『遺産に属する物、又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して行わなければならない』としています。

例えば、高齢者が病気や障害があり生活が困難な者への配慮や住居の確保などが考慮される事由となります。

遺産分割はこうした諸事情等を配慮しながら協議を行い、合意による解決を優先する仕組みとなっています。

遺産分割の方法

遺産分割の方法は下記の4つになります。

相続人全員の合意があればどの分割方法でもいいですが、意見が分かれてしまっている場合は現実に可能である方法として、①の現物分割から④の共有の方法順で決定していきます。

①現物分割

現物をそのまま配分する方法。遺産を共同相続人に現実に分けて分割する。
例えば、土地を分筆するなどして遺産の分割をする。

②代償分割

現物を特定の者が取得して取得者は他の相続人にその具体的相続分に応じた金銭の支払いをする方法。

例えば、遺産の中にどうしても単独で取得したい時計がある場合、その時計を取得する代わりに、その時計の財産評価価額分の金銭を他の相続人に支払う。

換価分割

遺産の中の各財産を売却してその代金を配分する方法。

④共有分割

共同相続人が、それぞれ共同所有の割合としての持分を有してひとつの物を所有する方法。

②遺産分割協議書を作成する

遺産分割協議がまとまったら、速やかに遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書を作成する事は権利の証明書であるので、後々の揉め事を防止する事にも繋がります。

他の相続人の気が変わらない内に早めに作成するようにしましょう。

作成の仕方は、財産の種類の数にもよりますが、基本はA4用紙(両面)若しくはA3用紙(片面)1枚で作成します。

たまに相続財産が多く1枚に書ききれないときがあります。

そのときは両面にしたり、用紙の大きさをA3に変えるなどの工夫をしてみましょう。

複数枚に渡ると、各書類に割印をしなければならず、紛失すると大変です。

様式は特に決まっていませんので、見本の資料(両面の場合)を参考に作成してみて下さい。

【相続人全員で1枚を作成】

【表】

【裏】

③遺産分割協議書に署名押印をする

相続人全員が日付・署名・押印を行います。

上部と署名横の2箇所に捺印をします。(②上記の資料参照)

この印鑑は印鑑登録証明の届け出をした印鑑と同じものになります。

基本的に1枚の遺産分割協議書に相続人全員の署名捺印を行い、それを相続人分作成して各一部ずつ保管します。

例えば相続人が3人でしたら、3人の署名捺印がされた遺産分割協議書を3部作成して各自で1部ずつ保管するという事です。

相続人に特別の事情がある人がいる場合

相続人が複数人いたり、海外に在住しているなど遠方にお住まいの方がいると、全ての相続人から署名押印をしてもらうのに時間が掛かってしまいます。

そういった事が予想される場合には、1枚の遺産分割協議書に1人の相続人が署名押印する方法で作成します。

各相続人分作成して各自が1部保管します。

こうすることで、各相続人が同時にそれぞれの遺産分割協議書に署名押印を進めることができるので、時間の節約ができます。

【各相続人ごとに記名・押印する】(3人分)

被相続人の妻

【表】

【裏】

被相続人の長男

【表】

【裏】

被相続人の次男

【表】

【裏】

まとめ

今回は遺産分割協議書について解説しました。

遺産分割協議書を作成することで、財産の権利を証明し、今後の相続争いの予防にもなります。

法定相続分を目安に、直接会ってお互いが譲り合いの精神で話しあうことが遺産分割協議をスムーズに進めるポイントです。

ひとりひとりの相続人がこの事を念頭に自分の気持ちを伝えてみましょう。

また、日頃から家族を気遣い信頼関係を厚くしておくことも有効な手段となります。

もし、相続人だけでは不安という方は、専門家が間に入る(※遺産分割協議には行政書士は参加できません)ことで、スムーズに進められる確率も上がりますので、遺産分割協議でお困りの方は依頼してみても良いでしょう。

当事務所では相続専門の行政書士事務所として遺産分割協議書の作成をサポートしております。

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