今回は、J A(農協)の預金の相続手続きについて解説します。
全国的な協同組合で、北九州市に20店舗、お隣下関市にも17店舗あるので、口座をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
地域密着で活動しており特にご年配の方は農業に携わっている方が多いので、口座を開設していらっしゃる方は多いです。
通帳などが見当たらない場合であっても、一度最寄りのJ A(農協)の支所に口座の有無の照会をしてみるといいでしょう。
本記事をご覧になれば、J A(農協)の相続手続きの流れや必要書類について知ることができます。
分かりやすく端的に解説しておりますので、最後まで読んでみてくださいね。
J A(農協)の相続手続き 解約・払戻し手続きの手順
①J A(農協)に問い合わせ
被相続人が開設していた口座の支所、もしくは最寄りの支所に電話で問い合わせ(予約)をします。
電話をする際には、以下の被相続人に関する書類を手元に用意します。
- 通帳・キャッシュカード(10桁のお客様番号)
- 電話をする方の個人情報(名前・住所・連絡先)
- 亡くなった方の死亡日、住所、生年月日等の情報がわかる書類(メモで構いません)
通帳の見開きのページに10桁のお客様番号の記載があります。
J A(農協)は10桁のお客様番号で顧客情報を管理しているので、間違えないように答えましょう。
そして、J A(農協)は口座の名義人が亡くなった事実を知ると、直ちに口座の入出金の取引を停止します。
生活費等を亡くなった方名義の口座から振替をしている方は、引き落とし先の変更をしてから事実を伝えるようにしましょう。
②J A(農協)に来店
J A(農協)に予約した日時に来店し、窓口で相続手続きの予約していた旨を伝えます。
ここでも10桁のお客様番号を聞かれることがありますので忘れずに通帳を持参しましょう。
お客様の確認が取れたら職員の方から死亡届を記入するようにお願いされます。
この死亡届は医師が作成するものではなく、JA所定の様式のものです。
死亡届は、貯金口座と株の出資金の2種類あります。
貯金口座の書き方
株の出資金の書き方
貯金口座が複数あった場合はその支所ごとに1枚ずつ記入します。
株の出資金をしている場合は同じ支所であってももう1枚記入します。
例えば、A支所に貯金口座を1つ開設、出資金をしている場合は貯金口座1枚、出資金1枚の計2枚の死亡届を記入をすることとなります。
他の支所にも貯金口座を開設している場合は、上記に加えてもう1枚記入します。
ただし、出資金については原則1人1つのみの取り扱いとなっている為、複数枚記入することはありません。
死亡届には、上記資料に記載の通り以下の内容を記入します。
被相続人(亡くなった方)
氏名 住所 生年月日 死亡日
相続人
氏名 住所 連絡先
死亡届を記入したら職員さんが死亡届の情報と被相続人の口座情報を照合します。
適合されれば、『相続手続依頼書』の案内がありますので、持ち帰って記入します。(ステップ④で後述)
被相続人の口座情報がわからない場合は案内があったこの時に聞いておくと後々スムーズです。
③必要書類の準備
払戻し手続きに必要な書類の準備をします。
遺産分割協議の場合
- 被相続人の出生から死亡するまでの戸籍謄本等(除籍謄本・改正原戸籍・戸籍謄本)
- 相続人全員の印鑑登録証明書
- 遺産分割協議書
- 相続手続依頼書(J A(農協)所定の様式)
- 相続人代表者の顔写真付き本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 被相続人の通帳・キャッシュカード
※戸籍謄本等の代わりに法定相続情報一覧図でも可能
※印鑑登録証明書は発行より6ヶ月以内のもの
遺言書がある場合
- 被相続人の除籍謄本
- 遺言執行者の印鑑登録証明書
- 受益相続人全員の印鑑登録証明書(遺言執行者がいない場合のみ)
- 遺言書(原本)
- 遺言書検認調書謄本(公正証書もしくは遺言書保管制度の利用をしていない場合)
- 相続手続き依頼書(J A(農協)所定の様式)
- 相続人代表者の顔写真付き本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)
- 被相続人の通帳・キャッシュカード
※戸籍謄本等の代わりに法定相続情報一覧図でも可能
※印鑑登録証明書は発行より6ヶ月以内のもの
戸籍の取得の仕方については、【①基礎調査手続き 相続人の範囲の決め方】をご覧ください。
遺産分割協議書の作成の仕方は、【遺産分割協議の手続きの流れ 揉めないポイント】をご覧ください。
④相続手続き依頼書の記入
ステップ③の書類を準備できたら、ステップ②で案内のあった相続手続依頼書(J A(農協)所定の様式)を記入します。
【相続手続依頼書】
記入する内容は、相続人全員の氏名と捺印、代表相続人への委任の記載、被相続人の口座情報(名義人・店舗名・口座番号・口座の種類)、遺産の振込先の口座(他行可)です。
被相続人の口座情報については、事前に残高証明書を取得しておくと間違いなく記入できますし、残高証明書がない場合は、職員さんに口座情報を教えて頂くこともできます。(ステップ②で案内された時に聞いていたらスムーズ)
基本的には、遺産分割協議書を作成する際には、財産の内容を把握していると思いますので、残高証明書の通りに記入します。
残高証明書の記入の仕方については【②基礎調査手続き 相続財産の評価と確定(残高証明書の取得)】をご覧ください。
因みにJAで残高証明書を取得する際の手数料は、440円です。
⑤払戻しの手続き
ステップ③の必要書類を来店して提出します。
職員さんの確認があって不備がなければ、貯金口座については最短即日で指定された相続人の口座へ振り込まれます。
他行に振り込みを指定していた場合は、財産額が3万円未満は660円、それ以上は880円の手数料が掛かります。
戸籍謄本や印鑑登録証明書などの書類は原本の写し(コピー)を取ってその場で返却されます。
株の出資金は払戻しの期間に注意
貯金口座は最短即日振り込まれるのでとても早いのですが、株の出資金については年1回の払戻しとなっている為、注意が必要です。
JAでは、年度を毎年2月から翌年1月としています。そして6月に総代会といってどのくらいの解約があるのか集計管理をして7月に年度末の1月までに解約手続きをされている方の払戻しを一括で行います。
例えば、2023年の11月に解約(相続)手続きをした場合は翌年の2024年7月に払戻しがされます。
2024年の2月に解約(相続)手続きをした場合は、2025年の7月に払戻しがされます。
1月にしたか2月にしたかで払戻し日が1年先と随分変わってしまうので、できるだけ早く手続きをしましょう。
最後に各相続人に手続きが完了した旨の通知と振込みの確認のお願いを伝えておくと、その後のトラブルを回避できます。
まとめ
今回は、J A(農協)の相続手続きについて解説しました。
J A(農協)の相続手続きは、他行に比べるととても簡単です。
・被相続人の出生から死亡するまでの戸籍謄本等
・相続人の印鑑登録証明書
基本的にはこの2つの書類で対応していただけます。
通帳に記載の10桁のお客様番号も忘れないように持参しましょう。
相続対策で銀行の口座をまとめるならJ A(農協)にしておくと、相続人はその後の手続きの負担が少なくいいかもしれませんね。
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