相続対策に遺言書が有効だと知って、遺言書を書こうとしているあなた。
『遺言書を書きたいけど、どういった内容にしたらいいかわからない』
『遺言書を書いても揉めるって聞いた事がある』
『揉めない遺言書のポイントが知りたい』
遺言書を書こうと思っても、誰に相談したらいいのかわからないし、本を見ても自分に落とし込むとなるとどうしたらいいのか分からないなんてことありますよね。
相続専門行政書士としてサポートをする前、初めて実務を経験した私も、相続の法律用語が難しくてよくわからずにいました。
最初は、1つ1つ言葉を調べて内容を理解をしながらやっていると、時間があっという間に過ぎて翌日に持ち越しなんてこともありました。
今回は、『揉めてしまうポイントを抑えて作成する揉めない遺言書の書き方』についてお届けします。
本記事でご紹介する揉めない遺言書のポイントを知ってもらえれば、遺言書の作成がスムーズにいくこと間違いなし。
逆に今回ご紹介するポイントを知らなければ作成はできても相続人同士で揉めたり、大切な人に負担を掛けてしまうかも…
誰でも理解できるようにわかりやすく端的に解説しておりますので、ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。
揉めない遺言書の書き方のポイント4選
ポイントは以下の4点です。
- 財産を受ける側の気持ちになって考える
- 誰が見ても財産の行き先が明確である
- 全ての財産の行き先を記載したか
- 遺留分を考えた遺言であるか
財産を受ける側の気持ちになって考える
特定の相続人に財産を多く相続させる時、他の相続人はどう思うでしょうか?
『どうして均等に分けないんだ!?』
『兄さんは昔から学費だったり、住宅の資金の援助もしてもらっているじゃないか!』と不満が出てきそうです。
極端に偏った財産の分け方はやめましょう!
もしどうしてもそうしたいと言うなら、付言事項になぜそうするのかの理由をわかるようにしておきましょう。
付言事項とは、法的効力はありませんが手紙のように家族に気持ちを伝えるメッセージのようなものになります。
『長男は昔から病気がちな自分のために家事を手伝ってくれたり、今も介護をしてくれているので多く財産を残します。』のような感じです。
この一文がある事により遺言者の気持ちが伝わりやすいので、相続人も揉めることが少なくなります。
誰が見ても財産の行き先が明確である
遺言書に記載する事項としては、遺言者との続柄・氏名・生年月日・財産の内容の詳細を書く必要があります。
もし遺言書に『長男に預金を相続させる』とだけ書いた場合どのような問題が起こるかと言うと、まず”長男”というところに問題があります。
もし遺言者が再婚をしていて前妻との間に子供(息子)がいたとするとこの子供も長男となりますので、現在の妻との間に設けた長男なのか、前妻との間に設けた長男なのか区別が付かなくなります。
また預金口座が複数あると、どの預金を言っているのか区別が付かず相続人同士で揉めてしまう原因になります。
そのため、遺言書に記載する時には遺言者との続柄・氏名・生年月日・財産の内容の詳細の4点をしっかり記載するようにしましょう。
全ての財産の行き先を記載したか
遺言書に財産の記載漏れがあると、その財産については相続人で遺産分割協議を行う必要があります。
せっかく争いの防止の為に遺言書を作成したのに、その1つの財産の為に相続人全員で遺産分割協議をしなくてはいけなくなるので、財産の整理をして全ての財産を記載するようにしましょう。
もし全ての財産が把握できなかったり、不安な方は『その他の財産は〇〇に相続させる。』という指定を記載するようにすると安心です。
遺留分を考えた遺言であるか
遺留分とは、相続人が最低限保障されている権利の事です。
遺言では自由に財産の承継ができますが、感謝の気持ちがあるからといって全ての財産を特定の人に承継させるのは他の相続人の事を考えている遺言書とは言えません。
遺留分の計算は、『相続財産 × 2分の1 × 法定相続分』となります。
※両親のみが相続人の時は『相続財産 × 3分の1 × 法定相続分』
この計算で算出された遺留分の額を下回っていればトラブルになる確率が高くなります。
例えば具体的な例として、相続財産が6000万円、相続人が妻・子の2人だとすると、
妻 6000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1500万円
子 6000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1500万円
となり、遺留分は2人とも1500万円となります。
仮に妻に5000万円、子に1000万円を遺言で遺贈しようとすると、子の遺留分より500万円少ないので、子に遺留分侵害請求をされて争いになるリスクがあります。
この場合は最低1,500万円は子に遺贈するような遺言書の作成が賢明です。
最低限の権利だけは侵害にしないように考えて遺言書を作成するようにしましょう。
遺留分権利者(遺留分を請求できる人)になれる人は誰か
遺留分の権利者は、相続人の全員がなれるわけではありません。
遺留分を有する相続人は、
①配偶者 ②子 ③直系尊属 と決まっています。
兄弟姉妹には遺留分はありません。
相続欠格、相続廃徐、相続放棄により相続権を有していない者も遺留分はありません。
遺留分の計算には注意が必要
例えば先ほどの例で、相続財産が6000万円、相続人が妻・子の2人だとすると、
妻 6000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1500万円
子 6000万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1500万円
と計算をしたとします。
遺言者は、妻に多く財産を残してあげたかったので4500万円を妻に、遺留分を侵害しない1500万円を子に相続させる遺言をしました。
遺留分は侵害してないから安心だと思われた方。
ちょっと待ってください!
もし遺言者が生前に妻に500万円の贈与をしていた場合、この贈与した500万円は相続財産に加算して計算しなくてはなりません。
そのため計算式は以下のようになります。
相続財産 6000万円 + 500万円 = 6500万円
妻 6500万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1625万円
子 6500万円 × 2分の1 × 2分の1 = 1625万円
遺留分侵害額 1625万円 − 1500万円 = 125万円
今回の場合、遺留分を考えて遺言書を書いたつもりであっても、生前に贈与をしていてその金額を含めていないと125万円の遺留分を侵害している事になります。
また、債務等があるとそういったものも含めて具体的な計算をしていきますので計算には注意が必要です。
まとめ
遺言書を書くときは、
- 財産を受ける側の気持ちになって考える
- 誰が見ても財産の行き先が明確である
- 全ての財産の行き先を記載したか
- 遺留分を考えた遺言であるか
この4点を意識して書くようにしましょう。
特に遺留分に関しては何が遺留分の対象になるのかの判断が難しく、計算がとても複雑であるので、お近くの専門家にご相談されることをおすすめします。
日頃から家族と相続の方針を話し合い、財産の整理をしておくと遺留分の計算もしやすくなりますのでやってみましょう。
また遺言書の書き方については下記の記事で解説しておりますのでこちらも併せてご覧ください。
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