【遺言】北九州 終活で遺言書作成 無効にならない遺言書の書き方

相続対策の為に遺言書を作成しようとしているあなた。

『遺言って何を書いたらいいのかわからない』
『書き方とか様式って決まりはあるの?』
『遺言書のメリットって何?』

遺言書を作成しようとしているけど、何からしたらいいのかわからず悩みますよね。

相続に特化して勉強してきた私も、いざ作成しようとすると最初は何書いたらいいんだっけと戸惑うことばかりでした。

専門書を見ながら自分の家族を思い出しながら作成してみるけど、これで大丈夫なんだろうかと不安になることもありました。

今回は相続専門行政書士である私が『無効にならない遺言書の書き方』についてお届けします。

本記事でご紹介する遺言書の書き方を知ってもらえれば無効になる確率を最低限抑える事ができます。

逆に今回ご紹介する注意点を知らずに作成すると無効になってしまい、作成した意味がなかったなんてことにもなりかねません。

誰でもわかりやすく解説しておりますので、最後まで記事をご覧くださいね。

目次

無効にならない遺言書の書き方

今回は、自筆証書遺言書の書き方を説明します。

まず、遺言書を書く際は、現在自分が亡くなった場合に相続人になる人(推定相続人を基準として作成します。

配偶者と子がいるのであれば、その2人、独身で子供もおらず、両親と兄弟がいて健在なら両親のみ。と言ったようにです。

誰が相続人になるかは、下記の『【下関 北九州 相続】相続人調査の流れ』という記事で紹介しておりますのでご覧下さい。

ここで誤った書き方をすると、せっかく遺言書を残しても無効となり作成した意味がありませんので、しっかりと下記の図の★のポイントを押さえるようにしましょう。

また、日付の記載はしっかりと作成した日が特定できるように記入します。○月吉日のような表記は無効とされますので注意しましょう!

因みに黄色の枠で余白の指示がありますが、これは遺言書保管制度を利用する予定の方のみ守ってください。

遺言書保管制度を利用しなくても遺言書の効力に違いはありませんが、自筆証書遺言書を作成した際には、遺言書保管制度を併せて利用する方が、デメリットを俯瞰できます。

また後から遺言書保管制度を利用しようと思ってもルールが守られていなければ書き直しをしないといけませんので、初めから遺言書保管制度の利用を見据えて作成することをお勧めします。

遺言書保管制度が知りたい方は、【福岡法務局北九州支局で遺言書保管制度の利用をしてきました】をご覧ください。

遺言書書式例はこちらをご覧ください

自筆証書遺言書

封筒

ここまでできれば、自筆証書遺言書の完成です。

今回は、遺言書に相続財産の記載をしましたが、通帳や登記簿謄本等の財産の証明書の写しを取り、署名押印して、財産目録とする方法も可能です。

相続人が財産の把握をするためにとても有効な方法なので作成する際には取り入れてみて下さい。

遺言書を作るメリット

遺言書を作るメリットとして、

①相続手続きの簡略化

②自分の財産の明確化

③遺産分割による紛争の防止

があげられます。

いつかの相続に備えて、今から準備を進めましょう!

① 相続手続きの簡略化

遺言書を作成しておくと、ご家族等の相続人の方があなたの相続発生時に相続人を確定させるために必要となる戸籍謄本等を集めたり、相続財産の名義変更をする際に必要となる書類が少なくなり、とても簡易に相続手続きができるようになります。

あなたを亡くした精神的疲弊がある中、手続きを進めるのはかなりの負担です。

残される相続人のためにも遺言書を作成しましょう。

② 自分の財産の明確化

遺言書を作成する際に、自分の財産を誰にどのくらいの割合で承継させるのか考える必要があります。

その際、自分の財産を改めて把握でき、遺言書に記載する事で、相続人に自分の財産にどのような種類のものがあるのか紙面に残し伝えることができます。

また、自分の財産を把握することで計画的に相続税の対策をすることもできます。

③ 遺産分割による紛争の防止

遺言書を作成する上で一番のメリットと言ってもいいでしょう。

遺言書がない場合、遺産分割協議という相続人全員で財産の承継についての話し合いをする必要があります。

ここで話しがまとまらず紛争になってしまうと、相続財産を承継することができず、使用することもできなくなります。

遺言書があると、遺言書の通りに相続財産の承継を行うことができるので、遺産分割協議をする必要がなくなり、相続人間で揉めるということがなくなります。

遺言書の種類

遺言書にはいくつか種類があるので、メリットデメリットを比較しながら自分に合った方法で作成しましょう。

自筆証書遺言書

遺言者が自分で『全文』『日付』『氏名』を自書して押印して作成する方法。

ただし、相続財産の全部または、一部の目録を添付する場合は、その目録については自書することを要しないが、その各ページに署名押印する必要があります。

自筆証書遺言) 第968条

  1. 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
  2. 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全文又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
  3. 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
民法968条-Wikibooks

メリット

  • 自分で作成するので、紙とペンと封筒と印鑑があればすぐに作成できる。
  • 費用が掛からない。

デメリット

  • 紛失・偽造・変造・隠匿・破棄の危険がある。
  • 検認が必要になる。
  • 書き方を間違えると無効になる恐れがある。

検認手続きについては『遺言書を見つけたら必ずしなくてはいけないこと』で解説しておりますのでご覧下さい。

公正証書遺言書

証人2名以上の立会いのもと、公証人が読み上げる遺言の内容を遺言者が確認して、内容に間違いがなければ遺言者・公証人・証人がそれぞれ署名押印して作成する方法。

遺言書の中で一番効果が確実な方法です。

公正証書遺言)第969条公正証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。

  1. 証人2人以上の立会いがあること。
  2. 遺言者が遺言の趣旨を公証人に口授すること。
  3. 公証人が、遺言者の口述を筆記し、これを遺言者及び証人に読み聞かせ、又は閲覧させること。
  4. 遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認した後、各自これに署名し、印を押すこと。ただし、遺言者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。
  5. 公証人が、その証書は前各号に掲げる方式に従って作ったものである旨を付記して、これに署名し、印を押すこと。
民法969条-Wikibooks

メリット

  • 公証役場で保管するので、紛失・偽造・変造・隠匿・破棄の危険がない。
  • 検認が不要になる。
  • 専門家が作成するので書き方の誤りで無効になる可能性がない。

デメリット

  • 作成に費用や時間が掛かる。
手数料-日本公証人連合会

秘密証書遺言書

遺言を自分で作成し、遺言の内容を秘密にして公証役場で証明してもらう方法。

(秘密証書遺言) 第970条

  1. 秘密証書によって遺言をするには、次に掲げる方式に従わなければならない。
    1. 遺言者が、その証書に署名し、印を押すこと。
    2. 遺言者が、その証書を封じ、証書に用いた印章をもってこれに封印すること。
    3. 遺言者が、公証人一人及び証人二人以上の前に封書を提出して、自己の遺言書である旨並びにその筆者の氏名及び住所を申述すること。
    4. 公証人が、その証書を提出した日付及び遺言者の申述を封紙に記載した後、遺言者及び証人とともにこれに署名し、印を押すこと。
  2. 第968条第3項の規定は、秘密証書による遺言について準用する。
民法970条-Wikibooks

メリット

  • 遺言の存在を明確にして、内容の秘密が保てる。
  • 偽造変造の恐れがない。
  • 署名押印さえできれば、字を書けない者でも作成できる。

デメリット

  • 公証役場で保管を行わないので、紛失・未発見の恐れがある。
  • 検認が必要になる。
  • 費用が掛かる。

 秘密証書遺言
   秘密証書による遺言方式に関する記載についての手数料は、定額で1万1000円です(手数料令28条)。

手数料-日本公証人連合会

検認手続きについては『遺言書を見つけたら必ずしなくてはいけないこと』で解説しておりますのでご覧下さい。

まとめ

今回は、無効にならない遺言書の作成方法について解説して参りました。

遺言書にはいくつか種類がありますが、自分に合った方法で作成すると良いでしょう。

安全性から言うと公正証書遺言が一番良いかと思いますが、他と比べると費用が高く時間が掛かってきますので、まだ自身の年齢が若かったり、何度か遺言書を作り直す予定がある方は自筆証書遺言の作成をお勧めします。

既述中に何度か登場しておりますが、現在は遺言書保管制度という新しい制度ができ、自筆証書遺言のデメリットであった検認手続きや偽造・変造の恐れもなく、従来よりは安心して遺言書を残すことができますので、この制度を活用してみるのもよいでしょう。

当事務所では、下関市・北九州市の方を中心に相続専門の行政書士事務所として遺言・相続に関するサポートを致しております。

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