大切な人が亡くなり、お通夜やご葬儀、告別式などの祭祀の主宰をされているあなた。
『葬儀費用が足りなくて困っている』
『親の口座から費用を支払いたい』
『自分の預金から支出すると生活ができない』
急な出来事で祭祀の準備に追われ、まとまった費用を一括で支払うのは大変ですよね。
数年前に祖父・祖母を亡くした私も、続けての不幸ごとだったため、財産管理をしていた母からとても大変だったと聞きました。
相続専門の行政書士として勉学に励んだ結果、こういう方法があるんだと知り勉強になりました。
今回は、『お手元に立て替える費用がない場合に、預金を払戻して支払いに充てたい場合の対応方法』について解説したいと思います。
本記事を見れば、葬儀費用を相続預金から準備できる方法を知ることができます。
逆にこの記事で解説している方法を知らなければ、自分が費用の負担をしなければならなくなってしまうかも…
ぜひ最後まで記事を読んでみてくださいね。
銀行の相続預金から葬儀費用を払戻す方法
葬儀費用は誰が負担をする?
まず初めに、葬儀費用を誰が負担するのかという問題があります。
判例では、相続財産から支出することが許されるという裁判例や、必ずしも遺産から支払わなければならない性質のものではないとする裁判例、喪主の負担とすべきであるとする裁判例などがあります。
また喪主からの払戻し請求であれば葬儀費用の便宜払いを有効とする考え方もあり、考え方は多数に分かれています。
今回はその中から2つの方法について解説します。
葬儀費用の相続預金の払戻し
通常、亡くなった方の相続財産は、遺産分割協議をしてから遺産承継手続きをするのが一般的です。
ですが葬儀をする時点で遺産分割協議のことなんて考えられないのが普通ではないかと思います。
相続預金の手続きをする際も、銀行側も遺産分割協議書がなければ基本的には預金の払戻しに応じてくれません。
それでは遺産分割前に預金の払戻しはできず、葬儀費用は自分で準備しなければならないのでしょうか?
預貯金の払戻し制度を利用すれば遺産分割前でも払戻しはできる
葬儀費用の支払いのために遺産分割前に相続預金を払戻すことは可能です。
この場合、預貯金の払戻し制度を利用します。
預貯金の払戻し制度とは、共同相続人全員の同意を得ることができない場合に、預貯金を払戻すことのできないという不都合を解消するために、改正法で設けられました。
本制度によって、家庭裁判所の判断を経ることなく、遺産に含まれる預貯金債権の一定額について、共同相続人が単独で払戻しができるようになりました。
ただし、金額に上限があります。
また、払戻し制度は遺産分割前におこなう必要があります。
そして、払戻し制度を利用する場合に、払戻せる金額は、計算式で算出した額と法務省令で決められた金額のどちらか低い金額となります。
計算式は、『相続開始時の債権額(預貯金額) × 3分の1 × 当該共同相続人の法定相続分』となります。
詳しい解説は、【遺産分割前に生活費が必要になったら?】で解説していますので、そちらをご覧ください。
払戻し制度以外の払戻しについて
既述したように、葬儀費用の払戻しは払戻し制度を利用すればできるということでした。
しかし、全国の葬式費用の相場は、約110万円となっており、参列者が多かったり、葬儀の内容を追加すると、葬儀費用は払戻しできる上限の150万円は優に越えてしまうでしょう。
この場合にもう少し資金を準備して負担を軽減する方法があれば助かります。
そういうことで、下記では払戻し制度以外の方法で払戻しができる可能性がある方法をお話しします。
便宜的に払戻す方法
便宜的に支払いをお願いするという方法でもう少し払戻せるかもしれません。
ただ、この方法は必ず払戻しができるというわけでなく、各金融機関の判断になります。
希望する金額を用意することができず、どうしても葬式費用を故人の相続財産から支出したい方は請求してみてもよいかもしれません。
銀行側が恐れているのは、相続人ではない方に相続財産を払戻ししてしまうこと、つまり二重払いのリスクを懸念しています。
ようするに、この二重払いのリスクである銀行の不安を払拭できればいいのです。
銀行は二重払いのリスクで不安のため以下の事項を確認しようとします。
①相続が開始していること
②手続きを依頼する人が相続人、またはその代理人であること
③払戻金を被相続人の葬儀費用に用いること
まず、①の相続が開始していることを証する書類として、被相続人の死亡診断書や火葬許可証、死亡届けの提出控えなどがあります。
②の手続きを依頼する人が相続人、またはその代理人であることの証する書類は、相続人の戸籍謄本等(全部事項証明書)です。
③の払戻金を被相続人の葬儀費用に用いることを証する書類は、葬儀費用に充てる資金の払戻し依頼書を作成しましょう。
下記にある見本を見ながら作成してみてください。
この3つの書類を銀行に提出すれば、もしかしたら便宜的に払戻しを認めてくれるかもしれません。
また、地域の実情に応じた葬儀費用の相場と比較して妥当な範囲の金額の払戻しを請求することで、銀行側が払戻してくれる可能性も上がるでしょう。
そしてこの便宜的な取り扱いも払戻しをおこなう相続人の法定相続分の範囲内での払戻しになるので、後のトラブルにならないように、必要以上の金額は払戻すことのないように注意しましょう。

まとめ
今回は、葬儀費用を相続預金を払戻して支払いに充てたい場合の対応方法について解説してまいりました。
まずは払戻し制度を活用を検討して、それでも足りないということであれば、金融機関に特別な事情があるため、払戻しができないか相談してみましょう。
その際は銀行が求めている証明書の提出をしっかりすることで応じてもらえる可能性があります。
銀行を安心させられるかどうかがポイントです。
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葬儀費用の準備をいち早くしたい方や手続きが難しくてできないという方は、お気軽に銀行の相続手続き専門の当事務所までお問い合わせください。
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