はじめに|「生前贈与をした方が得」と思っていませんか?
北九州市でご相談を受けていると、次のような声をよく聞きます。
「元気なうちに子どもへ渡しておいた方がいいですよね?」
「生前贈与をすれば、相続税が安くなると聞きました」
確かに、生前贈与という選択肢はあります。
しかし実務では、
- 贈与したことで家族関係がぎくしゃくした
- 思ったより税金の負担が重かった
- 結局、遺言を作っておけばよかった
という結果になることも珍しくありません。
この記事では、北九州の実際の相談事例を交えながら、生前贈与をすべきかどうかの判断ポイントを分かりやすく整理します。
結論|「今すぐ贈与する特別な理由」があるかどうか
結論からお伝えします。
- 今すぐ贈与する明確な理由がある場合
→ 生前贈与を検討
(※贈与税はかかるが、目的がはっきりしているなら意味がある) - 特に急ぐ理由がない場合
→ 生前贈与はせず、遺言で相続時に引き継ぐ
(※相続税は比較的税率が低く、調整もしやすい)
北九州で相続や遺言のご相談を受けていると、「生前贈与をした方が節税になると聞いた」という理由だけで悩まれている方が非常に多いのですが、税金のイメージだけで判断すると、後悔するケースも少なくありません。
事例①|「今」資金が必要だったため、生前贈与を選んだケース
状況
- 北九州市在住の60代夫婦
- 子どもが住宅購入を予定
- 頭金としてまとまった資金が「今」必要だった
このケースでは、「将来相続で渡す」では意味がなく、今すぐ資金を渡す必要があるという明確な理由がありました。
そのため、
- 贈与税がかかる可能性を理解した上で
- 金額・目的・時期を整理した生前贈与
を選択しました。
ポイント
生前贈与は、「今でなければ意味がない理由」がある場合に向いています。
事例②|理由もなく生前贈与をして、後悔したケース
状況
- 北九州市在住の70代男性
- 「節税になると思って」預金を子どもに贈与
- 特に使い道は決まっていなかった
結果
- 贈与税の申告が必要になった
- 他の子どもとのバランスが問題になった
- 「なぜこの金額なのか」を説明できず、不満が生じた
最終的に、
「最初から遺言で決めておけばよかった」と話されていました。
ポイント
目的のない生前贈与は、税金面でも感情面でもトラブルになりやすいのが実情です。
判断ポイント①|税金の違いを正しく知る
生前贈与の場合
- 贈与税がかかる(原則、相続税より税率が高い)
- 年間110万円の基礎控除はあるが、不動産や高額贈与では使いにくい
- 不動産の場合、登録免許税・不動産取得税も高い
相続の場合
- 相続税がかかる(基礎控除額が大きい 最低3,600万円〜)
- 自宅は小規模宅地等の特例により、評価額が最大80%減額されることもある
- 登録免許税が低い、不動産取得税はなし
税金だけを見ると、多くのケースで相続の方が有利です。
判断ポイント②|誰に・いつ確実に渡したいか
生前贈与が向いているケース
- 特定の人に必ず渡したい
- 将来の相続トラブルを今のうちに防ぎたい
- 子どもがすでに住んでいて、名義を早めに一本化したい
相続が向いているケース
- 相続人間の状況が今後変わる可能性がある
- 財産全体を見てから決めたい
- 遺言で整理できそうな場合
判断ポイント③|生活への影響を見落とさない
生前贈与をすると、
- 名義を渡した財産は原則取り戻せない
- 将来の介護費や施設費に使えなくなる可能性
- 受贈者とトラブルがあった場合、退去を命じられると住み続けられない
老後の生活資金と住まいの確保は最優先事項です。
実務で多い結論|「原則は相続、例外として生前贈与」
北九州の相談現場では、
- 特に急ぐ理由はない
- 家族関係を壊したくない
- 将来の調整余地を残したい
という理由から、生前贈与はせず、相続時に遺言で整理するという結論になるケースが非常に多いです。
生前贈与をしない代わりに、遺言でできること
遺言があれば、
- 誰に、何を、どれだけ渡すか
- なぜその分け方にしたのか
- 将来の考え方
を明確に残すことができます。
遺言は、
- 何度でも書き直せる
- 状況に応じて調整できる
という点で、生前贈与より柔軟な方法とも言えます。
まとめ|判断基準はとてもシンプルです
- 今すぐ贈与する特別な理由がある
→ 生前贈与(贈与税は高め) - 特に理由がない・迷っている
→ 生前贈与はせず、遺言を作成
(相続税は比較的低め・調整しやすい)
税金だけでなく、家族関係・将来の生活・調整のしやすさまで含めて考えることが大切です。
北九州で生前贈与や遺言に迷っている方へ|行政書士74事務所より
当事務所では、
- 生前贈与をすべきかどうかの整理
- 贈与と相続、どちらが適しているかの判断
- 遺言による代替提案
- 公正証書遺言の作成サポート
まで、実務目線で一緒に考えるサポートを行っています。
「贈与した方がいいのか、しない方がいいのか」その段階からのご相談で構いません。
お困りの方は、下記専門サイトよりご連絡くださいませ。


