生前贈与をした方がいい?しない方がいい?|下関の事例で判断ポイントを解説

目次

はじめに|「生前贈与をした方が得」と思っていませんか?

下関市で相続や遺言のご相談を受けていると、次のような声をよく耳にします。

「元気なうちに、子どもへ渡しておいた方が安心ですよね?」
「生前贈与をすれば、相続税が安くなると聞きました」

確かに、生前贈与は一つの選択肢です。
しかし実務の現場では、

  • 贈与したことで家族関係がぎくしゃくしてしまった
  • 思った以上に税金の負担が重かった
  • 結局、遺言を作っておけばよかった

という結果になるケースも、決して珍しくありません。

この記事では、下関市で実際に多い相談事例を交えながら、生前贈与をすべきかどうかの判断ポイントを分かりやすく整理します。

結論|「今すぐ贈与する特別な理由」があるかどうか

結論からお伝えします。

今すぐ贈与する明確な理由がある場合
生前贈与を検討
(※贈与税はかかりますが、目的がはっきりしているなら意味があります)

特に急ぐ理由がない場合
→ 生前贈与はせず、遺言で相続時に引き継ぐ
(※相続税は比較的税率が低く、調整もしやすい)

下関市で相続や遺言のご相談を受けていると、「生前贈与をした方が節税になると聞いた」という理由だけで悩まれている方が非常に多いのですが、税金のイメージだけで判断すると、後悔につながるケースも少なくありません。

事例①|介護施設の利用料を抑えるため、生前贈与を選んだケース

状況

  • 下関市在住の80代女性
  • 特別介護老人ホーム(介護施設)に入所中
  • 預金や不動産などの資産が比較的多く、入居利用料が高額になっていた

この方は、
「生活自体は施設で完結しており、大きな支出予定もない」
「このまま資産を持ち続けるより、子どもに渡した方がよいのではないか」
と考えるようになりました。

特に問題だったのは、資産額が多いことで、毎月の施設利用料の負担が大きくなっていたことです。(とくゆうの入居利用料は資産額によって変動する仕組み)

判断の背景

このケースでは、

  • すでに自宅には戻らない見込み
  • 生活費・医療費は施設利用料に集約されている
  • 今後、大きな資金を自分で使う予定がほぼない

という事情がありました。

そのため、「将来相続で渡す」よりも、今の段階で資産を減らすこと自体に意味があるという明確な理由があったのです。

取った対応

そこで、

  • 贈与税がかかる可能性を理解したうえで
  • 生活に支障が出ない範囲の金額に限定し
  • 子どもへ段階的に資産を移す

という形で、生前贈与を選択しました。

ポイント

この事例のポイントは、「生前贈与そのものが目的」ではなく、「現在の生活負担を軽くするため」という明確な理由があったことです。

このように、

  • すでに介護施設に入所している
  • 今後、自分で大きな資産を使う予定がない
  • 資産が多いことで、毎月の負担が重くなっている

といった事情がある場合には、生前贈与を検討する実益があるケースと言えます。

事例②|理由もなく生前贈与をして、後悔したケース

状況

  • 下関市在住の70代男性
  • 「節税になると思って」預金を子どもに贈与
  • 具体的な使い道は決まっていなかった

結果

  • 贈与税の申告が必要になった
  • 他の子どもとのバランスが問題になった
  • 「なぜこの金額なのか」を説明できず、不満が生じた

最終的に、「最初から遺言で決めておけばよかった」と話されていました。

ポイント
目的のない生前贈与は、税金面でも感情面でもトラブルになりやすいのが実情です。

判断ポイント①|税金の違いを正しく知る

生前贈与の場合

  • 贈与税がかかる(原則、相続税より税率が高い)
  • 年間110万円の基礎控除はあるが、不動産や高額贈与では使いにくい
  • 不動産の場合、登録免許税・不動産取得税も高い

相続の場合

  • 相続税がかかる(基礎控除額が大きい/最低3,600万円〜)
  • 自宅は小規模宅地等の特例により、評価額が最大80%減額されることもある
  • 登録免許税が低く、不動産取得税はかからない

税金だけを見ると、多くのケースで相続の方が有利です。

判断ポイント②|誰に・いつ確実に渡したいか

生前贈与が向いているケース

  • 特定の人に必ず渡したい
  • 将来の相続トラブルを今のうちに防ぎたい
  • 子どもがすでに住んでいて、名義を早めに一本化したい

相続が向いているケース

  • 相続人の状況が今後変わる可能性がある
  • 財産全体を見てから決めたい
  • 遺言で整理できそうな場合

判断ポイント③|生活への影響を見落とさない

生前贈与をすると、

  • 名義を渡した財産は、原則として取り戻せない
  • 将来の介護費や施設費に使えなくなる可能性がある
  • 受贈者との関係が悪化した場合、住み続けられなくなるリスクもある

老後の生活資金と住まいの確保は、何よりも最優先事項です。

実務で多い結論|「原則は相続、例外として生前贈与」

下関市の相談現場では、

  • 特に急ぐ理由はない
  • 家族関係を壊したくない
  • 将来の調整余地を残したい

という理由から、生前贈与はせず、相続時に遺言で整理するという結論になるケースが非常に多いです。

生前贈与をしない代わりに、遺言でできること

遺言があれば、

  • 誰に、何を、どれだけ渡すか
  • なぜその分け方にしたのか
  • 将来の考え方

を明確に残すことができます。

遺言は、

  • 何度でも書き直せる
  • 状況に応じて調整できる

という点で、生前贈与よりも柔軟な方法と言えます。

まとめ|判断基準はとてもシンプルです

判断のポイント
  • 今すぐ贈与する特別な理由がある
     → 生前贈与(贈与税は高め)
  • 特に理由がない・迷っている
     → 生前贈与はせず、遺言を作成
     (相続税は比較的低め・調整しやすい)

税金だけでなく、家族関係・将来の生活・調整のしやすさまで含めて考えることが大切です。

下関市で生前贈与や遺言に迷っている方へ|行政書士74事務所より

当事務所では、

  • 生前贈与をすべきかどうかの整理
  • 贈与と相続、どちらが適しているかの判断
  • 遺言による代替提案
  • 公正証書遺言の作成サポート

まで、下関市の実情を踏まえ、実務目線で一緒に考えるサポートを行っています。

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