大切な親に不幸ごとがあり、相続手続きをしようとしているあなた。
『相続手続きって何をしたらいいのかわからない。』
『誰が相続人になるのかわからない。』
『手続きの流れが知りたい。』
相続は突然のことで普段関わることがほとんどないので、いざやろうとすると何から手をつけたらいいのか、わからない事だらけだったりしませんか?
行政書士として相続の勉強をしてきた私も、初めて実務を経験した時は何から手をつけたらいいのかわからず戸惑いました。
私は行政書士の知識がありましたので法律用語は分かりましたが、実務としてどうしてその書類が必要なのかわからないなんてことも最初はありました。
今回はあなたと同じように相続を経験した相続専門の行政書士である私が、『絶対にわかる相続人の範囲の決め方』についてお届けします。
本記事でご紹介する相続人の範囲の手続きを知ってもらえれば、相続手続きを簡単に進められます。
逆に、今回ご紹介する相続人の範囲の決め方を知らなければ、ずっと悩んだままで必要以上に負担が掛かってしまうかも…
誰でも簡単にわかるように図の記載してわかりやすく紹介しておりますので、最後まで読んでみてくださいね。
相続手続きをしないといけない理由
大切な親が亡くなり哀しみに暮れる中、必要な手続きの時間は刻一刻と迫っています。
相続にはたくさんの手続きがありお忙しくなると思います。
『相続手続きは期限がないから放っておいて問題ない。』
そういったことを耳にした方もおられるのではないでしょうか?
結論から言うとその考え方は間違いです。
相続手続きをどうして進めないといけないかというと大きく2つの理由があります。
①10ヶ月以内に相続税の申告が必要
1つ目は、相続税の申告期限が10ヶ月以内と決められているからです。
確かに相続手続き自体には期限はありません。
ですが相続税の申告には期限があり、相続手続きを進めて内容を把握しないと、相続税の申告をすることができません。
この相続税の申告をしなかった場合、延滞税や無申告加算税といったペナルティが加算されることになります。
しっかりと調査を行い相続税の申告をするために相続手続きを進めるようにしましょう。
②権利関係が複雑になる恐れ
2つ目は、権利関係者が複雑になるということです。
例えば、最初の相続手続きを放ったらかしにしてその後に相続人の1人が亡くなったとします。
そうすると、亡くなった相続人のご家族が相続人となり、最初に亡くなった方の相続も引き継ぐことになります。
一次相続の相続人と二次相続の相続人が全体の相続人となるので、当初の相続人の人数より増えてしまいます。
こうなってしまうと相続人全員分の公的書類を準備したり、権利の主張をする人が多くなるのでとても複雑な手続きとなってしまうのです。
相続人で揉めたりするともっと大変ですね。
以上の理由から早めに相続手続きを完了させる必要があります。
基礎調査の手続き(基礎知識)
被相続人が亡くなられた場合、相続手続きを進めるには、①相続人の範囲 ②相続財産の範囲と評価 を確定させる必要があります。(基礎調査といいます)
これは、相続人が行う場合でも士業である専門家が行うにしても必ず必要となります。
この2つを確定させないことには相続手続きは進める事ができませんので、最初にこの手続きを行っていきましょう。
相続財産の範囲と評価(残高証明書の取得等)の方法が知りたい方は、【②相続財産の範囲と評価の方法】をご覧ください。
今回は①相続人の範囲を確定させる手続きを私の地元である山口県下関市を例に行っていきます。
基本的にはどこの市町村役場も手続きの流れや必要書類は同じですので下関市を他の市町村役場に置き換えて行って頂ければ簡単に手続きができると思います。
ただし、必要書類については異なることもありますので、事前に市役所の担当部署に確認してから手続きをすることをおすすめします。
相続人とは?
相続人の範囲ですが、どう決めるの?と疑問に思うかと思います。
まず相続人とはなんでしょう。
相続人とは、「遺産を相続する人」です。
具体的には、被相続人が亡くなり故人様の遺産を承継する人のことです。
そしてこの相続人ですが、民法で定められた相続人を「法定相続人」と言います。
この法定相続人には順位があり、その順位が高い人が相続人となります。
法定相続人の順位
- 常に相続人となる人 → 配偶者
- 第一順位 → 子(直系婢族)
- 第二順位 → 親(直系尊族)
- 第三順位 → 兄弟姉妹
第900条同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
民法900条-Wikibooks
- 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1とする。
- 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、3分の2とし、直系尊属の相続分は、3分の1とする。
- 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、4分の3とし、兄弟姉妹の相続分は、4分の1とする。
- 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1とする。
被相続人の配偶者は、常に相続人となります。
なぜかというと配偶者は被相続人との間で貢献をしてきた人だとみなされるからです。
また、先順位の法定相続人が優先されるので、後順位の法定相続人は財産の承継ができません。
例えば、被相続人の法定相続人が被相続人の妻、子、被相続人の父がいたとすると、相続人は、常に相続人となる妻と第一順位の子となり、被相続人の父は相続人とはなりません。
相続人を確定させる為の手続きの流れ
被相続人の本籍地を確認するために住民票を取得します。
※確認できている場合は不要です。
住民票で確認した本籍地の市区町村役場に戸籍の請求をします。
出生してから死亡するまでの連続した戸籍謄本を取集します。
始めに『被相続人の出生してから死亡するまで』の戸籍謄本等の請求を行っていきます。
戸籍謄本等の請求は被相続人の本籍地の市町村役場に請求をします。
本籍地がわからない場合は、被相続人の最後の住所地の市町村役場に本籍地記載の住民票の写しを請求して確認します。
最後の住所地というのは、亡くなった時の住民票に届出している住所地になります。
被相続人の出生してから死亡するまでの戸籍を取得する理由は、戸籍というのはその方の身分関係が全て記載してありますので戸籍を取得することで相続人の確定をする事ができるからです。
戸籍には婚姻・転籍・養子縁組・法改正等の事由により新たな戸籍が作られるため、従前の戸籍に記載してあることは新しい戸籍には記載されません。
こういった理由から、被相続人の出生してから死亡するまでの戸籍を取得する事により相続人の確定を確実に証明できます。
市区町村役場の窓口で直接請求するのが1番早いですが、平日に出向くことができない方もいらっしゃると思いますので、今回は郵送での請求方法をご紹介します。
住民票の写しの取得(郵送請求)
郵送請求の手順
※本籍地の確認が取れている場合は下記の『戸籍謄本の取得』よりご覧下さい。
- 郵送請求のための140円切手を4枚購入します。(住民票請求時貼付用2枚と戸籍謄本等請求時貼付用2枚)
- 定額小為替1000円×3枚(3000円分)または普通為替3000円分
※定額小為替は3000円分で足りると思いますが、市町村役場で手数料が異なるため不安な方は電話等で問い合わせてご確認して購入、請求して下さい。
亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場のホームページから住民票の写し等郵便請求書のPDFファイルをダウンロードして印刷します。(下記にも準備しています。)
相続人以外が請求する際は委任状のPDFファイルもダウンロードして印刷する。
印刷した住民票の写し等郵便請求書に下記の記載例のように記入します。
【委任状】
本人確認書類とは、運転免許証・旅券・マイナンバーカード・写真付きの住民基本台帳カード・国民健康保険被保険者証・後期高齢者医療被保険者証などです。
定形型封筒の表面に自分(請求手続きを行う方)の住所・氏名を記載して、①で購入した140円切手を貼る。裏面は無記入でよい。
定形型封筒の表面に請求する市町村役場の住所、市町村役場名、担当課を記入して、①で購入した残りの140円切手を貼る。裏面に自分(請求手続きを行う方)の住所、氏名を記入する。
【郵送する提出書類】
- 定額小為替1000円×1枚(残りの1000円×2は戸籍謄本等請求時に使用します)
- 住民票の写し等郵請求書 + 委任状(代理される方のみ)
- 本人確認書類のコピー
- 返信用封筒
1〜2週間前後で市町村役場から住民票の写しと定額小為替のお釣りが郵送される。
戸籍謄本の取得
郵送請求の手順
140円切手を2枚購入します。(※住民票の請求時に4枚購入した方は除く)
- 定額小為替1000円×3枚(3000円分)または普通為替3000円分
※定額小為替は3000円分で足りると思いますが、市町村役場で手数料が異なるため不安な方は電話等で問い合わせてご確認して購入、請求して下さい。(※住民票の請求時に購入した方は除く)
亡くなった方の最後の住所地の市区町村役場のホームページから戸籍証明書等郵便請求書のPDFファイルをダウンロードして印刷します。(下記にも準備しています。)
相続人以外が請求する際は委任状のPDFファイルもダウンロードして印刷する。
印刷した戸籍証明書等郵便請求書に下記の記載例のように記入します。
【委任状】
本人確認書類とは、運転免許証・旅券・マイナンバーカード・写真付きの住民基本台帳カード・国民健康保険被保険者証・後期高齢者医療被保険者証などです。
定形型封筒の表面に自分(請求手続きを行う方)の住所、氏名を記載して、①で購入した140円切手を貼る。裏面は無記入でよい。
定形型封筒の表面に請求する市町村役場の住所、市町村役場名、担当課を記入して、①で購入した残りの140円切手を貼る。
裏面に自分(請求手続きを行う方)の住所、氏名を記入する。
【郵送する提出書類】
- 定額小為替1000円×3枚(住民票の請求をした方は1000円×2枚と戻ってきた円分を同封)
- 戸籍証明書等郵請求書(個人用)+委任状(必要な方のみ)
- 本人確認書類のコピー
- 返信用封筒
1〜2週間前後で市町村役場から戸籍謄本等と定額小為替のお釣りが郵送される。
下関市で取得した後は、その戸籍謄本に記載のある市区町村役場(下関市の前に本籍地の登録をしていたところ)が次の請求する市区町村役場になるので、繰り返し戸籍を取得していき、出生までの戸籍を取得すれば戸籍の収集は終わりです。
まとめ
今回は、相続手続きを進めるために必要な基礎調査について解説しました。
相続人を確定させるために、被相続人の出生してから死亡するまでの戸籍を収集することが必要です。
被相続人の過去の本籍地がある市町村役場に請求を繰り返し行っていくことで、必要な戸籍が取得できます。
(※令和6年3月1日より戸籍法が改正され1つの窓口で全国の戸籍謄本を取得できるようになりました。詳細はこちら)
取得した戸籍をもとに相続人を確認すれば、相続人の確定は終了です。
この作業は1回覚えれば簡単ですが、慣れないととても時間や手間が掛かってしまうので大変です。
ご不明点があれば市町村役場の職員に電話で問い合わせすれば丁寧に答えて頂けますが、それでも難しい、面倒だという方は行政書士等の専門家に委任する事もできますので、お近くの行政書士等に相談してみて下さい。
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