自分の人生を、家族の人生を本気で考えている方へ、ぜひ最後まで読んでいただきたいお話です。
30代の夫が亡くなった場合に、家族に本当に必要なお金
私のもとに、次のようなご相談がありました。
私は30代の会社員です。
年下の妻(27歳)と、最近ようやく挨拶ができるようになった子ども(3歳)がいます。仕事は大変ですが、家族のために働き、週末には公園でピクニックをしたり、スターバックスでコーヒーを飲んだり、イベントに出かけたりと、家族と過ごす今の時間がとても幸せです。
ただ、近年は若年層でも病気で亡くなる方や、新種ウイルス、自然災害などのニュースを目にする機会が増え、
「もし、自分が突然亡くなったら、残された家族は大丈夫なのだろうか」と考えるようになりました。
経済的な大黒柱である自分がいなくなったあと、妻と子どもは、今と同じような生活を続けられるのでしょうか。
この不安は、決して特別なものではありません。家族を大切に思う方ほど、必ず一度は考えるテーマ です。
遺された家族に必要となる費用は「年間 約400万円」
30代の夫が亡くなった場合、遺された妻と子どもに必要となる最低限の生活費は、年間で約400万円 が一つの目安になります。
内訳(あくまで最低限の想定)
- 生活費:年間 約290万円
- 子どもの学費:年間 約40万円
(幼稚園〜高校までの平均を年割した最低水準)
※これは「平均値」や「最低ライン」であり、実際には医療費・突発的な支出・物価上昇などにより、さらに負担が増えるケースがほとんどです。
持ち家がある場合でも、安心とは限らない
住宅ローンを組んでいる場合、団体信用生命保険に加入していれば、住宅ローンそのものは完済されます。
しかし、それで「家に関するお金の負担がゼロになる」わけではありません。
- 固定資産税:年間 約10〜20万円
- 火災保険料:年間 約3〜6万円
- 定期的な修繕・メンテナンス費用:10年ごとに数十万円
また、団体信用生命保険に未加入であった場合は、住宅ローンの返済自体がそのまま残る ことになります。
葬儀費用は「一括払い」が原則
葬儀費用は、平均で 約110万円 とされています。
この費用は、
- 原則一括払い
- 分割ができないケースが多い
という特徴があります。
さらに、銀行は口座名義人の死亡を把握した時点で口座を凍結 します。
つまり、
- 葬儀費用
- 当面の生活費
を、亡くなった方の預金から引き出すことができなくなるという現実があります。
遺族年金で受け取れる金額は?
残された家族の収入として考えられるのは、
- 妻の給与収入
- 遺族年金
です。
遺族基礎年金(令和5年度)
子ども1人の場合
→ 年間 約1,023,700円
※18歳到達年度の3月31日まで支給
※その後は条件により「中高齢寡婦加算」
仮に、
- 妻の年収が平均的な300万円
- 遺族年金が約100万円
とすると、合計で約400万円 となります。
これは、あくまで「平均値」であり、余裕のある生活とは言えません。
金銭面以外にも、大きな問題がある
相続手続きの負担
相続が発生すると、
- 銀行
- 保険会社
- 不動産
- 各役所
を回りながら、多くの書類を集め、手続きを進める必要があります。
未成年の子どもがいる場合、遺言書がなければ家庭裁判所で特別代理人の選任 が必要になります。
これは、
- 時間
- 手間
- 精神的負担
すべてが、残された配偶者に重くのしかかります。
解決策は「遺言書」を残しておくこと
これらの問題を大きく軽減できる方法が、元気なうちに遺言書を作成しておくこと です。
遺言書があれば、
- 相続手続きが大幅に簡略化される
- 財産の承継先が明確になる
- 銀行手続きがスムーズになる
といったメリットがあります。
「遺言を書くと、財産が使えなくなるのでは?」と誤解される方もいますが、遺言の効力は死亡時からです。
生前の生活に影響はありません。
若いうちは「自筆証書遺言」で十分なケースも多い
確実性を重視するなら、公正証書遺言が最も安全です。
ただし、
- 費用がかかる
- 将来、内容を変更する可能性が高い
30代の方であれば、まずは 自筆証書遺言+遺言書保管制度 を利用するのも現実的な選択です。
※実際に、筆者自身も自筆証書遺言を作成しています。
遺言書作成は「元気な今」しかできません
遺言書は、判断能力があるうちにしか作成できません。
「まだ若いから」
「今は忙しいから」
そう思っている間に、その「元気な今」が突然終わってしまう可能性は、誰にでもあります。
最後に
こうした対策は、元気なうちにしかできません。
もしかすると、その「元気な今日」が最後になるかもしれません。
ご家族を大切に思うあなたからのご相談を、心よりお待ちしております。
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