はじめに
「まずは夫だけ遺言を作ろうと思っています。」
こうしたご相談は少なくありません。
確かに、財産の名義が夫中心であれば、そう考えるのも自然です。
しかし実は、夫婦のどちらか一方だけ遺言を作ることには、見落とされがちなリスクがあります。
この記事では、夫婦で同時に遺言を作るメリットと、一方のみ作成した場合のリスクについて、初心者にも分かるように解説します。
結論:夫婦の遺言は「セット」で考えるのが理想
遺言は個人の問題のように見えますが、実際には“家族全体の設計”です。
夫婦で同時に作成することで、
- 一次相続
- 二次相続
- 将来の手続き
まで見据えた一貫した設計が可能になります。
リスク① どちらが先に亡くなるか分からない
多くの方が、「夫のほうが先に亡くなるだろう」と無意識に考えています。
しかし実際には、
- 事故
- 病気
- 突然死
など、順番は誰にも予測できません。
もし妻が先に亡くなり、妻が遺言を作っていなかった場合どうなるでしょうか。
- 妻名義の財産は法定相続
- 子どもとの共有名義
- 不動産の処分が困難になる
といった問題が起こる可能性があります。
つまり、「どちらが先か分からない」以上、片方だけでは不十分なのです。
リスク② 二次相続で揉める可能性
例えば夫が、「すべて妻に相続させる」という遺言を残したとします。
その後、妻が亡くなった場合、妻が遺言を残していなければ、子ども同士で話し合いになります。
- 介護の負担
- 生前贈与の有無
- 不動産の使い道
こうした問題で対立するケースは少なくありません。
夫婦で同時に設計しておけば、このリスクを大きく減らせます。
リスク③ 認知症による作成不能
「後で妻が作ればいい」と考えている場合、認知症リスクを忘れてはいけません。
判断能力が低下すると、遺言は作れなくなります。
つまり、夫の死後に作る予定だった遺言が作れないという事態も起こり得ます。
夫婦同時作成のメリット① 設計が一貫する
同時に作ることで、
- 財産の流れ
- 最終的な分配
- 不動産の帰属
まで整理できます。
“その場しのぎ”ではなく、“最終形”を描けるのが最大のメリットです。
メリット② 家族へのメッセージが明確になる
夫婦が同じ方向性で遺言を残すことで、「両親の意思はこうだった」と家族が理解しやすくなります。
これは争いの予防に直結します。
メリット③ 手続きが効率的
夫婦同時に準備することで、
- 財産調査
- 戸籍収集
- 公証役場手続き
を一度に進められます。
時間的・精神的負担も軽減されます。
「うちは仲がいいから大丈夫」は危険?
相続前は多くの家庭が円満です。
しかし、相続は“感情とお金”が絡みます。
特に二次相続では、
- 親が亡くなった悲しみ
- 兄弟姉妹間の価値観の違い
が表面化しやすいのです。
だからこそ、元気なうちに設計することが重要です。
まとめ
夫婦で遺言を考えるなら、
- どちらが先に亡くなるかは分からない
- 一方だけでは設計が不完全になる可能性がある
- 同時作成で将来リスクを大きく減らせる
という点を理解することが大切です。
遺言は「個人の備え」ではなく、「夫婦としての責任ある準備」です。
遺言作成でお困りなら行政書士74事務所にお任せください
もし、
「片方だけで十分だと思っていた」
「順番までは考えていなかった」
という場合は、一度専門家にご相談ください。
行政書士74事務所では、
✔ 夫婦同時の遺言設計
✔ 二次相続まで見据えたアドバイス
✔ 公正証書遺言サポート
✔ 遺言執行まで一貫対応
を行っています。
遺言は、家族への最後の思いやりです。


