はじめに
遺言は、のこす人の最後の意思表示であり、残される家族の人生を左右する、とても大切な法的文書です。
近年、相続トラブルの増加を背景に、より確実で安全な遺言として「公正証書遺言」を選択する方が増えています。
さらに、2025年10月から公証役場の手続きがデジタル化され、公正証書遺言の作成においてもタブレット端末を用いた電子署名など、新しい方式が導入されました。
これにより利便性は向上した一方で、
「手続きがどう変わったのか分からない」
「必要書類や準備は何が必要なのか不安」
と感じている方も少なくありません。
この記事では、北九州市にお住まいの方向けに、デジタル化に対応した最新の公正証書遺言について、作成の流れ・必要書類・当日の注意点を分かりやすく解説します。
これから公正証書遺言を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
1. 公正証書遺言作成の大まかな流れ
まず公証役場に電話や窓口で相談・予約を取ります。
遺言で何をしたいか(誰に何を相続・遺贈するか、不動産や預貯金の扱い、遺言執行者の指定など)を整理しておくとスムーズです。
次項で詳述しますが、印鑑登録証明書や戸籍謄本、財産関係の資料などを揃えます。
用意した資料を持参して公証人と内容を打ち合わせ、公証人が遺言の文案(公正証書案)を作成します。
必要に応じて修正を行います。
遺言者が公証役場に出向き、公証人の前で遺言内容を述べ、公証人と証人(通常2名)が立ち会って作成・署名押印します。遺言の原本は公証役場に保管されます。
2. 必要書類(一般的なもの)
※ここでは一般的な書類をご紹介します。事案により追加資料が必要になることがありますので、事前に該当の公証役場へ確認してください。
人に関わる資料
下記、①~⑤うちのいずれかをご準備ください。
- 本人の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)と実印
- 運転免許証と認印
- マイナンバーカードと認印
- 住民基本台帳カード(写真付き)と認印
- パスポート、身体障害者手帳または在留カードと認印
※基本的には①の印鑑登録証明書と実印を準備します
- 遺言者と相続人の続柄がわかる戸籍謄本
- 受遺者の住民票や住所が分かる書類
- 証人の住所、氏名、職業、生年月日の分かる資料
- 遺言執行者の住所、氏名、職業、生年月日の分かる資料
財産に関わる資料
- 不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)
- 固定資産税評価証明書または納税通知書
- 通帳や金融機関名・支店名・口座番号が分かる資料
- 車検証、自動車検査証記録事項
上記以外の財産については、財産の内容がわかる資料など
3. 証人について・費用の目安
証人について
公正証書遺言の作成には原則として2名以上の証人が必要です。
ただし証人になれない人(未成年者、推定相続人・受遺者およびその配偶者・直系血族など)がいるため、第三者の証人手配は注意が必要です。
通常は、行政書士などの専門家が証人になることが多いです。
公証役場で証人を紹介してくれる場合もあるため事前に相談してください。
費用の目安

公証人手数料は遺言の内容(相続人の数や財産の評価額)等で変動します。
概ね文案の確認・作成・保管などに対する公証手数料がかかりますので、見積もりは予約時に確認をしてください。
①公証人手数料+②発行手数料+③遺言加算+④出張手数料+⑤公証人日当+交通費
※③〜⑤は該当する方のみ加算
③ → 全体の財産が1億円以下のときは、手数料額に1万3000 円が加算
④ → 遺言公正証書の作成が嘱託人の病床で行われたときは、手数料額に50 %加算
⑤ → 公証人が、病院、ご自宅、老人ホーム、介護施設等に赴いて遺言公正証書を作成する場合には、公証人の日当(1日2万円。ただし4時間以内の場合1万円)と、現地までの交通費
4. 当日の持ち物・当日の流れ
- 遺言者の印鑑登録証明書(原本)・実印・本人確認書類など
- 証人(2名)の身分証明書
- 公正証書作成手数料・証人手数料・出張交通費など
当日は、公証人が遺言内容を読み上げながら確認を行います。
その際、遺言者本人の氏名・生年月日や、財産の承継先などについて公証人から質問されますので、事前の打ち合わせ内容どおりに回答しましょう。
内容に問題がないことが確認されると、遺言者と証人がタブレット端末を用いてデジタル署名を行います。
あわせて、遺言者は公証人から指定された様式に実印で押印します。
手続き全体にかかる時間は、おおよそ30分〜40分程度です。
作成された遺言書の原本は公証役場で保管され、遺言者には正本と謄本が交付されます。
なお、ご自宅や施設などで出張による作成を行った場合は、後日、公証役場へ来所して費用の精算および正本・謄本の受け取りを行います。
5)北九州市の公証役場(案内)
小倉公証人合同役場(小倉北区)
八幡公証人合同役場(八幡西区)
6)よくある質問(Q&A)
原則、公証役場で公証人の前で作成します。
訪問での公正証書作成(高齢・病気等で来所困難な場合)は、事情を説明すれば対応可能です。ただし、通常の費用とは別に出張費用が発生します。
公証役場が原本を保管します。遺言者には正本・謄本が交付されます。
保管されるため紛失や改ざんの心配が少ない点が利点です。
原本とは、この世に一通しか存在しないオリジナルの文書です。公正証書遺言の場合、原本は公証役場で厳重に保管されます。
正本は、原本の内容を写したもので、原本と同一の法的効力を持ちます。通常、相続手続きや金融機関での手続きには、この正本を使用します。
謄本も原本の写しではありますが、正本とは異なり、原本と同一の効力はありません。内容確認や説明用の資料として利用されるのが一般的です。
7)まとめ(北九州市の方へ)
公正証書遺言は専門家の関与で内容が法的に明確になり、相続時の争いを防ぐ非常に有効な手段です。
北九州市内には、小倉公証人合同役場(小倉北区)と八幡公証人合同役場(八幡西区)があり、事前に電話で相談・予約すると安心です。
必要書類(印鑑登録証明書、戸籍謄本、不動産関係書類など)を揃えておくと打ち合わせがスムーズに進みます。
まずは電話で相談、あるいは来所予約を入れてみてください。
公正証書遺言は「作ること」より「整えること」が一番大変です
公証役場で公正証書遺言を作成する場合、実は次のような準備が必要になります。
- 公証人との事前打ち合わせ
- 相続関係・財産内容の整理
- 戸籍謄本や登記簿謄本などの必要書類の収集
- 証人2名の手配
- 当日の段取り調整
これらをすべてご自身で行うのは、想像以上に大きな負担です。
行政書士74事務所では、これらの準備から公証役場との調整、当日の立ち会いまで、公正証書遺言の作成をワンストップでサポートしています。
北九州市は出張相談無料。「何から始めればいいか分からない」という段階でも問題ありません。


