はじめに
遺言について考え始めたとき、多くの方が次のように思われます。
・まだ元気だから遺言は早いのではないか
・高齢になってから作ればよいのではないか
・相続のことはまだ先の話ではないか
確かに、遺言というと「人生の終盤に作るもの」という印象を持つ方も少なくありません。
しかし、実務の現場では、「もっと早く作っておけばよかった」というケースが非常に多いのが現実です。
遺言は、亡くなる直前に作るものではなく、元気なうちに準備しておくことで本来の役割を果たすものです。
この記事では、
- 遺言はいつ作るべきなのか
- 遺言が必要になる典型的なケース
- 遅すぎると起こる問題
について、実務の視点から分かりやすく解説します。
結論|遺言は「元気なうち」に作るのがベスト
結論から言うと、遺言は判断能力がしっかりしている元気なうちに作ることが重要です。
なぜなら、遺言は法律上、遺言能力(判断能力)が必要だからです。
もし認知症などで判断能力が低下していると判断された場合、
- 遺言を作ることができない
- 遺言の有効性が争われる
といった問題が起きる可能性があります。
つまり、遺言は
「必要になってから作るもの」ではなく「将来に備えて準備しておくもの」と考えることが大切です。
遺言が必要になる典型的なケース
遺言はすべての方に必要というわけではありませんが、次のようなケースでは特に重要になります。
子どもが複数いる場合
子どもが複数いる場合、相続では遺産分割協議が必要になります。
このとき、
- 相続財産の分け方
- 不動産の扱い
- 自身の持分
などで意見が分かれることがあります。
遺言があれば、遺産の分け方をあらかじめ決めておくことができます。
結果として、相続人同士のトラブルを防ぐことにつながります。
不動産がある場合
相続財産に不動産が含まれている場合、
- 誰が取得するのか
- 売却するのか
などで意見が分かれることがあります。
特に、実家や収益不動産などは分けることが難しい財産です。
遺言があれば、誰が取得するのかを明確にすることができます。
再婚している場合
再婚している場合、
- 前妻の子
- 後妻
- 後妻との子
など、相続関係が複雑になることがあります。
遺言がない場合、法律上の相続割合で分けることになりますが、必ずしも本人の希望通りになるとは限りません。
遺言を作成することで、自分の意思に沿った相続を実現することができます。
特定の相続人に多く財産を残したい場合
例えば、
- 親の介護をしてくれた子
- 家業を継ぐ子
- 同居している子
などに多く財産を残したいと考えることがあります。
遺言がなければ、基本的には法定相続分で分けることになります。
遺言があれば、相続分の指定をすることが可能です。
遺言作成が遅すぎると起きる問題
遺言は「いつか作ればよい」と思われがちですが、遅すぎると作成できないケースもあります。
判断能力の問題
遺言には、法律上遺言能力が必要です。(遺言を作成した結果、その後の法律の効果を理解しているか)
認知症が進行している場合、
- 遺言が作れない
- 遺言が無効と主張される
可能性があります。
その結果、遺言を残したくても残せないという状況になることがあります。
急な入院
実務では、
- 入院してから慌てて遺言を作ろうとする
- 時間がなくて間に合わない
というケースも少なくありません。
公正証書遺言を作成する場合は、
- 公証人との調整
- 証人の手配
- 書類準備
などが必要になります。
そのため、時間的余裕があるうちに準備しておくことが重要です。
遺言は一度作れば終わりではない
遺言は、一度作ったら終わりではありません。
例えば、
- 家族構成の変化
- 財産の変化
- 相続人の状況
などによって内容を変更することがあります。
遺言は何度でも書き直すことができます。
そのため、「完璧な内容にしなければならない」と考える必要はありません。
まずは将来に備えて一度作成しておくことが大切です。
まとめ
遺言は
- 高齢になってから作るもの
- 亡くなる直前に作るもの
と思われがちですが、実際には元気なうちに準備しておくことが最も重要です。
特に
- 子どもが複数いる
- 不動産がある
- 再婚している
といった場合は、遺言によって相続トラブルを防ぐことができます。
遺言は家族への最後のメッセージとも言われます。
将来の相続をスムーズに進めるためにも、早めに準備しておくことが大切です。
遺言作成をご検討の方へ
遺言を作成する際には、
- 相続人の確認
- 財産の整理
- 遺言内容の設計
などを行う必要があります。
行政書士74事務所では、
- 遺言内容の整理
- 公正証書遺言の作成サポート
- 相続人調査
- 相続財産調査
など、遺言作成のサポートを行っています。
「まだ早いかもしれない」と感じている今こそ、遺言について一度整理してみませんか。
将来の相続トラブルを防ぐためにも、元気なうちから準備をしておくことが大切です。


