高齢化が進む中で、「終活」という言葉が一般的になってきました。
なかでも注目を集めているのが「遺言書」の作成です。
特に「公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)」は、法的に強く、安全性の高い方法として多くの人に選ばれています。
今回は、「公正証書遺言とは何か」「どのように作るのか」といった基本的な部分から、実際の手続きの流れ、注意点までを初心者向けにわかりやすく解説します。
1. 公正証書遺言とは?
「公正証書遺言」とは、公証人という法律の専門家が関与して作成する遺言書のことです。
公証人が作成し、公証役場で保管されるため、偽造や紛失の心配がなく、法的効力も非常に強いのが特徴です。
他の遺言との違い
遺言にはいくつか種類がありますが、代表的なのが次の3つです。
種類 | 特徴 |
---|---|
自筆証書遺言 | 自分の手書きで作成。費用はかからないが、無効になるリスクがある |
公正証書遺言 | 公証人が作成。確実性が高く、家庭裁判所の検認も不要 |
秘密証書遺言 | 内容を秘密にできるが、あまり一般的ではない |
初心者にとっては、公正証書遺言が一番安心・確実な方法といえるでしょう。
2. 公正証書遺言のメリット
公正証書遺言には、次のようなメリットがあります。
無効になるリスクがほとんどない
公証人が法的にチェックしながら作成するため、要件不備で無効になることがありません。
家庭裁判所の検認が不要
自筆証書遺言の場合、相続開始後に家庭裁判所で「検認」を受ける必要がありますが、公正証書遺言はこれが不要です。
紛失や改ざんの心配がない
原本は公証役場で厳重に保管され、副本や正本は本人と相続人が持つことになります。
高齢や病気の人でも作成しやすい
公証人が出張してくれる制度もあり、病院や自宅での作成も可能です。
3. 公正証書遺言を作成できる人
遺言を作成できるのは、満15歳以上の意思能力のある人です。
認知症や精神的な障害がある場合、内容によっては作成できないこともありますが、医師の診断書などがあれば対応可能な場合もあります。
4. 公正証書遺言の作成手続き
では実際に、公正証書遺言を作成する流れを見ていきましょう。
まずは、自分の財産や家族関係を把握し、誰に何を遺したいかを整理します。
- 不動産(持ち家、土地)
- 預貯金
- 株式や投資信託
- 借金があるかどうか
- 推定相続人は誰か
この段階で、行政書士に相談するのもおすすめです。
公正証書遺言を作成するには、以下のような書類が必要になります。
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 戸籍謄本(本人および相続人のもの)
- 財産の資料(登記簿謄本、通帳のコピーなど)
公証人に相談すると、具体的に必要な書類を教えてもらえます。
書類の取得は、行政書士などの専門家に依頼することもできます。
公証役場に連絡し、遺言内容をもとに原案を作ってもらいます。
この段階で、内容に不備がないか確認してもらえます。
公正証書遺言を作成するには、証人が2名必要です。証人には以下のような制限があります。
- 相続人やその配偶者、直系血族は不可
- 未成年者は不可
公証役場に依頼すれば、証人を紹介してもらえることもあります。
また、行政書士などの専門家に依頼すれば、原案の作成と一緒に証人にもなってくれます。
当日は、公証役場で、公証人と証人の前で内容を読み上げられ、内容に間違いがなければ、各人が署名・捺印します。
これで正式な公正証書遺言が完成です。
※体調が悪くて外出できない場合は、公証人に出張してもらうことも可能です(別途費用がかかります)。
5. 費用はどれくらい?
公正証書遺言の作成費用は、財産の額によって異なりますが、おおむね5万円~10万円程度が一般的です。
証人の謝礼(1〜2万円)や、専門家への相談料を含めると、合計で10万円〜20万円ほどになることもあります。
費用はかかりますが、その分「安心」「確実」な遺言を残すことができます。
残される相続人からすると、多少費用が掛かったとしても、自筆証書遺言よりも公正証書遺言で作成している方が、手間が掛からないため喜ばれます。
6. 注意すべきポイント
遺留分に配慮すること
一部の相続人(配偶者や子どもなど)には、最低限の取り分(遺留分)が法律で保証されています。
これを侵害すると、トラブルの原因になります。
定期的に見直す
家族構成や財産状況が変わったら、内容を見直すことが大切です。
新しい公正証書遺言を作成すれば、古いものは自動的に無効になります。
家族に伝えておく
遺言書の存在を家族が知らないと、せっかく作成しても意味がなくなります。
内容までは伝えなくても、「公正証書遺言を作ってある」ことは伝えておきましょう。
まとめ
公正証書遺言は、費用こそ多少かかるものの、安心・確実な遺言を残すためには最適な方法です。
特に相続トラブルを避けたい人、複雑な家族関係や財産状況がある人にはおすすめです。
早めの準備が、将来の不安を減らし、家族への最良の思いやりになります。
この機会に、一度ご自身の財産や家族構成を見直し、「遺言書を作ってみようかな」と考えてみてはいかがでしょうか?
自分では、手続きが手間に感じたり、どうしても準備が難しいこともあります。
そういうときは、相続の専門家に任せることも1つの手段です。
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