はじめに 相続は「いざ」というときに突然やってくる
多くの人が「相続なんて、まだ先のこと」「そのときが来たら専門家に頼めばいい」と考えています。
しかし、その考え方には大きな落とし穴があります。
相続は準備をしていないと、いざ発生したときに、想像以上の混乱やトラブルを招くことがあります。
この記事では、「相続は専門家に任せれば大丈夫」と考えて何も準備をしないリスクについて、相続がまだ発生していない方向けに分かりやすく解説します。
「専門家に任せる=準備不要」ではない
行政書士や司法書士、税理士といった専門家に依頼すれば、確かに相続手続きはスムーズに進む可能性があります。
しかし、専門家は「依頼されてから」しか動けません。
つまり、「準備不足のまま」相続が発生した場合、専門家が対応できる範囲には限界があるのです。
例えば、以下のようなケースでは専門家の力を借りても即時解決できません。
- 遺言書が見つからない、または内容が不明確
- 相続人の間で意見が食い違っている
- 財産や負債の全体像が把握できていない
- 生前贈与の記録や契約書類が整理されていない
専門家にとって最も困難なのは、「事前に何の準備もされていない状態」からスタートする相続です。だからこそ、相続が起こる前の準備が非常に重要になります。
準備不足のまま相続が発生するとどうなる?
ここでは、準備をしないまま相続が発生した場合に実際に起こりがちなリスクをいくつか紹介します。
1. 相続人同士のトラブルが起きやすい
遺言書がない場合、法定相続分に基づいて遺産を分割することになります。
しかし、それぞれの相続人が「自分は多くもらうべき」「あの財産は自分が使っていたから自分のものだ」と主張し始めると、感情的な争いに発展することがあります。
特に兄弟姉妹間では、幼少期の関係性や親の介護の有無などが関係して、「平等な分け方」では納得できないケースも多くあります。
2. 銀行口座や不動産の手続きが止まる
相続が発生すると、被相続人(亡くなった方)の銀行口座は凍結されます。
凍結解除のためには、相続人全員の同意書や戸籍書類などが必要になります。
これが揃わないと、預金を引き出すことすらできません。
また、不動産の名義変更にも相続人全員の合意が必要です。
準備がされていないと、時間も手間もかかり、結果として長期にわたる「相続放置」状態になってしまうこともあります。
3. 相続税申告の期限に間に合わない
相続税の申告・納税期限は、相続開始から10か月以内です。
この間に遺産を調査し、評価し、申告書を作成しなければなりません。
財産の全体像が分からなければ、期限内の申告が困難になり、ペナルティを受ける可能性もあります。
相続準備は「今から」「誰でも」できる
「でも、相続準備って何をすればいいの?」と思われる方も多いかもしれません。
実は、相続準備には特別な知識やスキルは必要ありません。誰でもできる、シンプルな対策から始められます。
1. 財産や負債の棚卸しをする
まずは、ご自身や親の名義になっている財産・負債をリストアップしましょう。
預金口座、不動産、保険、株式、借金などの一覧を作成するだけでも、専門家の業務は格段に効率化します。
2. 家族で相続について話し合う
相続について家族で話すことは、避けがちな話題かもしれません。
しかし、今のうちから「どう分けたいか」「誰に何を残したいか」といった意思を話し合うことで、相続人同士の認識を揃えることができます。
3. 遺言書の作成を検討する
「まだ元気だし、早いかな」と思う方もいるかもしれませんが、遺言書は“いつでも”書いておいて損はありません。
法的に有効な遺言書があれば、遺産分割のトラブルを大きく回避できます。公正証書遺言であれば、さらに安心です。
4. 相続専門家と定期的に相談する
「いざというときは専門家に任せる」のであれば、その専門家と事前につながっておくことが重要です。
無料相談を活用して、自分の家庭の状況や財産構成を伝えておけば、相続発生後もスムーズな対応が可能になります。
事例で見る 準備の有無がもたらす差
Aさんの場合(準備なし)
父親が亡くなったが、遺言書はなく、口座の場所も不明。
不動産は複数あるが、名義が父親のまま。
兄弟は3人いるが、疎遠で連絡も取りづらい。専門家に相談したものの、必要書類が集まらず、手続きに1年以上かかった。
相続税の申告期限にも間に合わず、延滞税が発生。
Bさんの場合(準備あり)
生前から親と相続について話し合いをしており、財産リストや遺言書も完備。
相続が発生した後は、すぐに専門家に連絡し、1か月以内に主要手続きを完了。
相続税の申告もスムーズに終え、兄弟間のトラブルも一切なし。
まとめ 「専門家に任せる」ためにも、準備が必要
「相続は専門家に任せればいい」と考えるのは間違いではありません。むしろ正しい判断です。
ただし、それは適切な準備があってこそ意味を持ちます。
相続は、準備が9割。相続が発生してからではできないことがたくさんあります。
だからこそ、相続が「まだ先の話」の今こそが、最も大切な準備のタイミングです。
大切な家族をトラブルに巻き込まないためにも、「何もしない」という選択をせず、小さな一歩から始めてみませんか?
【相続準備の有無による比較】
項目 | 準備あり | 準備なし |
---|---|---|
遺言書 | 作成済み | なし、不明確 |
財産の把握 | 一覧化・整理済み | バラバラで不明 |
家族の話し合い | 定期的に実施 | 避けてきた |
手続きの期間 | 1〜3ヶ月で完了 | 1年以上かかることも |
専門家の対応 | スムーズに開始 | 情報不足で初動が遅れる |
家族の負担 | 最小限 | 大きな負担とストレス |
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