■ はじめに
北九州市(門司・小倉北・八幡東・戸畑・若松)では、子どもがいない夫婦からの遺言相談が近年とても増えています。
理由は明確で、
- 親がすでに亡くなっている
- 兄弟と疎遠
- 配偶者の老後の生活が心配
- 不動産をめぐるトラブルが増えている
など「夫婦で完結しない相続」が起きやすいためです。
実務では、遺言の有無で相続手続きの難易度が全く変わるといっても過言ではありません。
この記事では、行政書士の実務経験に基づき、北九州市で「子どもがいない夫婦」が遺言書を用意すべき理由をわかりやすく解説します。

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■ 結論|子どもがいない夫婦は“100%遺言を作った方が良い”
理由は次の3つです。
✔① 配偶者が「全部相続」できるとは限らない
✔② 義兄弟(夫側・妻側)が相続に入ってくる
✔③ 不動産の名義変更・銀行相続が複雑化する
この3点が、北九州で実際の相談が増えている根本原因です。
■ 理由① 配偶者は自動的に「全部相続」できない
多くの方が誤解していますが、子どもがいない夫婦の場合、配偶者だけが相続人になるわけではありません。
民法では次のように決まっています。
● 子どもがいない → 配偶者+亡くなった人の父母
(父母も亡くなっている場合 → 兄弟姉妹)
つまり…
→「夫婦だけの問題ではなくなる」
そして、兄弟姉妹が相続人に入ると、北九州市内でも次のようなケースが多発します。
- 遠方に住んでいて連絡がつかない
- 疎遠で協力してもらえない
- 相続分を請求される
- 書類に署名してもらえず手続きが進まない
結果として、配偶者が困り果てて相談に来るケースがとても多いのです。
■ 理由② 義兄弟が相続に入ると“同意が必須”
例えば夫が亡くなった場合、
相続人=妻+夫の兄弟姉妹
(※兄弟姉妹も亡くなっている場合は甥/姪が相続人)
この場合、不動産の名義変更や銀行の相続手続きには必ず“全員の同意”が必要です。
- 署名
- 実印
- 印鑑証明
- 戸籍の提出
これらが揃わないと手続きが前に進みません。
北九州の実務では、
「夫の兄弟と30年以上会っていない」
「遠方の甥・姪と連絡が取れない」
という事例が後を絶ちません。
■ 理由③ 不動産があるとトラブルは一気に増える
北九州市は以下の特徴があり、不動産相続が絡むと揉めやすくなります。
・戸建て所有が多い
(門司港エリア、八幡東、若松など)
・持ち家+土地の二つがセットになりやすい
・老朽化家屋でも相続しなければ処分できない
特に「配偶者が住んでいる家」を第三者(義兄弟)と共有にするのは危険です。
- 売却時に義兄弟の同意が必須
- 修繕の判断で揉める
- 住み続けてはいけないと言われる
- 家を処分できず相続人が増えていく
これらは実務で非常に多い相談内容です。
■ 遺言がない場合に起きた“北九州の実例”
【実例① 門司区】
夫が亡くなり、妻は自宅に住み続けたいが、夫の兄2人が「自分たちも相続人だから不動産を分けてほしい」と主張。
→ 妻は生活費の捻出が難しくなり、不動産の処分・借金返済を迫られる状況に。
【実例②:小倉北区】
子どもがいない夫婦。夫の甥が相続人として手続きに入り、署名や書類のやり取りに半年以上かかり、銀行の解約が遅れて生活費が逼迫。
■ 遺言があれば「妻(夫)だけに相続させる」を実現できる
遺言書に次の一文を書くだけで状況は一変します。
「すべての財産を配偶者 ○○ に相続させる」
これにより…
- 義兄弟は相続手続きに関与しない
- 銀行相続がスムーズに進む
- 自宅の名義変更がすぐにできる
- 残されたパートナーが安心して生活できる
つまり、“遺言は配偶者の生活を守るもっとも強力な手段” です。
■ 北九州市で遺言を作成する流れ(初心者向け)
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言(おすすめ)
(家族に伝える/法務局保管制度利用など)
■ まとめ|子どもがいない夫婦に遺言は「必須」
- 兄弟姉妹が相続人に入る
- 手続きが複雑で時間がかかる
- 不動産でトラブルが起きやすい
- 配偶者の生活が不安定になる
これらの理由から遺言を書かないリスクは非常に高い といえます。
元気なうちに準備しておくことが、残されるパートナーへの最大の思いやりです。
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