はじめに
遺言を作成しようと考えたとき、
- 何を書けばよいのか
- どのような準備が必要なのか
- 財産はどこまで整理すればよいのか
といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
遺言は、単に紙に希望を書くものではなく、法律上の効力を持つ重要な書類です。
そのため、遺言を書く前には
- 相続人の確認
- 財産の整理
- 遺言内容の検討
などの準備をしておくことが大切です。
事前に整理をしておくことで、
- 遺言内容が明確になる
- 作成手続きがスムーズになる
- 将来の相続トラブルを防ぐ
といったメリットがあります。
この記事では、遺言を書く前に準備しておくべきポイントについて、実務の視点から分かりやすく解説します。
1 相続人を確認する
遺言を書く前にまず確認しておきたいのが相続人が誰になるのかという点です。
相続人は民法によって決められています。
主な相続人の組み合わせは次のとおりです。
- 配偶者と子
- 配偶者と直系尊属(親など)
- 配偶者と兄弟姉妹
また、配偶者は常に相続人になります。
一見すると単純に思えるかもしれませんが、実際には
- 前婚の子がいる
- 養子がいる
- 相続人がすでに亡くなっている
といった事情により、相続関係が複雑になることがあります。
そのため、遺言作成前には戸籍を確認して相続人を整理することが重要です。
戸籍を収集して整理することで、
- 相続人が誰なのか
- 何人いるのか
- 相続関係はどうなっているのか
を正確に把握することができます。
また、戸籍をもとに親族関係説明図を作成しておくと、家族関係が一目で分かりやすくなります。
2 財産の内容を整理する
遺言を書く際には、自分がどのような財産を持っているのかを把握しておく必要があります。
主な相続財産は次のようなものです。
預貯金
- 銀行口座
- 定期預金
- 信用金庫
- ゆうちょ銀行
不動産
- 自宅
- 土地
- 賃貸不動産
有価証券
- 株式
- 投資信託
- 国債
その他の財産
- 自動車
- 保険
- 貴金属
このような財産を整理しておくことで、遺言で誰に何を相続させるのかを具体的に考えることができます。
また、不動産がある場合は
- 登記事項証明書
- 固定資産税の通知書
などを確認しておくとよいでしょう。
3 負債の有無も確認する
相続では、財産だけでなく借金などの負債も引き継ぐことになります。
例えば、
- 住宅ローン
- 消費者金融
- クレジットカード
- 事業借入
などです。
負債の有無を把握しておくことで、相続人が将来困ることを防ぐことができます。
近年では、
- 信用情報機関への照会
- 借入状況の確認
などを行うケースも増えています。
4 誰に何を相続させるかを考える
遺言の中心となるのは財産を誰に相続させるのかという部分です。
例えば、
- 配偶者に自宅を残したい
- 長男に不動産を相続させたい
- 子ども全員に預金を分けたい
といった希望を整理していきます。
また、次のような事情がある場合には、遺言が特に重要になります。
- 子どもが複数いる
- 不動産がある
- 再婚している
- 特定の子どもに多く残したい
このような場合、遺言によって相続分の指定をすることができます。
5 遺言執行者を決めておく
遺言には遺言執行者を指定することができます。
遺言執行者とは、遺言の内容を実際に実現する人です。
例えば、
- 預金の解約
- 不動産の名義変更
- 遺産分割手続き
などを行います。
遺言執行者を決めておくことで、相続手続きをスムーズに進めることができます。
特に、
- 相続人が多い場合
- 財産が多い場合
には、遺言執行者を指定しておくことが有効です。
6 遺言の形式を検討する
遺言には主に次の種類があります。
自筆証書遺言
自分で書いて作成する遺言です。
メリット
- 手軽に作成できる
デメリット
- 方式不備で無効になる可能性
- 検認手続きが必要
公正証書遺言
公証役場で作成する遺言です。
メリット
- 法律的に安全性が高い
- 紛失の心配がない
- 検認手続き不要
- 公正証書手数料がかかる
- 公証役場と打ち合わせに時間がかかる
実務では、公正証書遺言を選択する方が多い傾向があります。
まとめ
遺言を書く前には、次の準備をしておくことが大切です。
- 相続人を確認する
- 財産を整理する
- 負債の有無を確認する
- 誰に何を相続させるか考える
- 遺言執行者を検討する
これらを整理しておくことで、遺言の内容が明確になり、将来の相続手続きもスムーズになります。
遺言は、家族の将来に大きく関わる大切な準備です。
そのため、事前の整理を行ったうえで作成することが重要です。
遺言作成をご検討の方へ
遺言を作成する際には、
- 相続人の確認
- 財産の整理
- 遺言内容の設計
などを行う必要があります。
行政書士74事務所では、
- 相続人調査(戸籍収集)
- 相続財産調査
- 公正証書遺言の作成サポート
など、遺言作成のサポートを行っています。
「遺言を作りたいけれど、何から始めればよいか分からない」
そのような場合は、まずはお気軽にご相談ください。
将来の相続トラブルを防ぐためにも、元気なうちから遺言の準備をしておくことが大切です。


