遺言書は何を考えて作る?北九州の行政書士が最初の考え方を解説

目次

はじめに

「遺言って、まだ早いですよね?」

実はこの言葉、かなりよく聞きます。

まだ元気だから。
財産もそこまで多くないから。
家族仲も悪くないから。

そう考えている方、多いんですね。

でも、相続の現場を見ていると、少し違う景色があります。

遺言が必要になるのは、体調を崩してからではない。
むしろ、元気で自分の考えを落ち着いて言葉にできる時なんです。

相続は、お金の問題に見えて、実際は感情の問題。

「うちは大丈夫だったはずなのに…」

こういうご相談、正直少なくありません。

今日は、遺言を考え始めた方が最初に読む基礎ガイドとして、

・遺言は何のために作るのか
・まず何を考えればいいのか
・どんな人が必要なのか
・作る時の注意点

このあたりを、北九州で相続実務を行う行政書士の視点からお話しします。

結論

遺言は、

「財産を分ける紙」ではありません。

個人的には、

“自分が亡くなった後の家族の方向性を決める設計図”

だと思っています。

誰に何を残したいか。
なぜそうしたいのか。
そして、誰が困る可能性があるのか。

ここを整理するためのもの。

だから遺言は、法律のために作るものではなく、家族のために作るものなんですね。

遺言を書く前に最初に考えるべきこと

遺言というと、

「どんな書式?」
「公正証書がいい?」

ここから考える方が多いです。

でも実務では、そこは少し後。

まず考えてほしいのは、

「自分は誰にどうしてあげたいのか」

です。

例えば、

長男が近くで面倒を見てくれている。
再婚相手を守りたい。
子どもがいない。
内縁の相手がいる。

こういう事情。

相続は平等だけでは整理できないんですね。

気持ちがある。

だからこそ、「誰に何を残したいか」だけではなく、

「なぜそうしたいのか」

ここが大事になります。

遺言が必要な人とは?

「うちは普通の家庭だから遺言はいらない」

そう思っている方も多い。

ただ実務では、むしろ“普通の家庭”ほど遺言がないことで困ることがあります。

例えば、子どもがいないご夫婦。

意外と多い勘違いがあります。

「配偶者に全部いくと思っていた」

でも実際は、兄弟姉妹や親が相続人になることもある。

すると、配偶者は義理の兄弟姉妹と遺産分割協議をしなければならない。

かなり負担です。

再婚家庭もそう。

前妻の子。
後妻。
連れ子。

気持ちは家族でも、法律上は親子でないケースもあります。

また、世話をしてくれている子がいる場合。

「この子に多めに残したい」

そう思う親御さんも多い。

でも、言葉だけでは相続は動かない。

ここなんですよね。

遺言がないとどうなるのか

遺言がない場合、原則として法定相続。

そして相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。

ここで問題になるのが、

「話し合えば大丈夫」

という考え。

正直、相続実務をしていると、この言葉は少し怖い。

なぜなら、相続は“亡くなった直後”に行われるから。

悲しみ。
疲れ。
手続き。
親族間の空気。

冷静ではないんですね。

すると、

「そんな話聞いてない」
「不公平じゃないか」

こうなっていく。

個人的には、

相続は悪意で揉めるより、
“認識のズレ”で揉める方が多いと思っています。

だからこそ、遺言。

遺言には種類がある

遺言には大きく2つあります。

自筆証書遺言と、公正証書遺言。

自筆証書は、自分で書く遺言。

費用を抑えやすい。
手軽。

ただし、記載ミスや無効リスクもあります。

一方、公正証書遺言。

公証人が関与するため、形式面ではかなり強い。

実務上はこちらを選ぶ方が多い印象です。

ただ、大切なのは種類ではない。

中身。

どんな遺言でも、設計がズレていれば問題になる。

ここはかなり重要です。

遺言を書く時に注意すること

遺言は自由に書ける。

ただ、自由だからこそ注意もあります。

代表的なのが遺留分。

例えば、

「全部を長男へ」

こう書いても、他の相続人には遺留分があることもある。

すると、後から遺留分侵害請求が問題になる。

また、財産調査も重要。

預金だけ書いて、不動産を書き忘れる。
これ、実際あります。

遺言って、文章作成というより、

“相続全体の設計”

なんですよね。

北九州で実際に多い遺言相談

北九州でも、

「もっと早く作れば良かった」

この声は本当に多いです。

例えば、

認知症が進行してしまった。
判断能力が問題になった。

こうなると、遺言作成自体が難しくなることもある。

また、親族関係が悪化してから。

これも大変。

本来は、元気で関係が落ち着いている時。

そのタイミングが一番いい。

個人的には、

遺言は“最後の準備”ではなく、
“元気なうちの整理”だと思っています。

遺言は「死後のため」だけではない

ここ、少し個人的な意見です。

遺言を書く方って、亡くなった後の話をしているように見える。

でも実際は違う。

今を整理しているんですね。

誰を大切に思っているか。
何を守りたいか。

それを言葉にしている。

だから遺言は、少し勇気がいる。

でも、その勇気が家族を守ることもある。

私はそう感じています。

まとめ

遺言は、

「お金持ちだけのもの」
「まだ早いもの」

ではありません。

むしろ、

・子どもがいない
・再婚家庭
・世話をしてくれている子がいる
・特別に残したい人がいる

こういうケースほど重要。

遺言は、財産の紙ではなく、家族への最後の整理。

個人的には、

“相続で揉めないため”だけではなく、

「自分の想いを言葉にするため」

に作るものだと思っています。

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